2024年11月26日

米大統領・議会選挙-共和党がトリプルレッド。トランプ次期政権の政策実現の可能性が大幅に増加。閣僚人事に注目

経済研究部 主任研究員 窪谷 浩

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■要旨
 
  1. 11月5日に実施された米大統領選挙では、トランプ前大統領の選挙人獲得が312人と過半数の270人を大幅に上回り、トランプ氏が大統領に返り咲いた。
     
  2. 今回の大統領選では一般投票で共和党候補が04年以来はじめて民主党候補の得票を上回ったものの、得票率の差は2000年以降で2番目の僅差となった。投票率は前回からは小幅低下したものの、1960年以来の水準となるなど有権者の関心の高さを示した。
     
  3. 大統領選挙の出口調査はトランプ氏が前回(20年)に比べて若年層やヒスパニック、低学歴層で支持を増やしたことが示された。また、大統領選挙の争点では「経済」や「移民」を重視している投票者の票をトランプ氏が集めた。
     
  4. 議会選挙では上下院で共和党が過半数を確保し、大統領選と併せて共和党が全て勝利するトリプルレッドとなった。この結果、トランプ次期政権が目指す政策の実現可能性が大幅に増加した。
     
  5. トランプ次期大統領は税制改革、関税引き上げ、移民の強制送還、規制緩和などの主要政策の実現を目指しており、実行する政策次第で経済への影響は変わってくる。一方、同氏は政策の実現を目指すべく、2期目の閣僚人事指名を矢継早に行っており、上院でスムーズに承認されるのか注目される。
(図表1)大統領選挙結果(州別選挙人獲得状況)
■目次

1.はじめに
2.大統領・議会選挙結果
  (大統領選挙結果):トランプ前大統領が返り咲き
  (出口調査結果):若年層、ヒスパニック、無党派層のトランプ得票率が前回選挙から増加
  (議会選挙結果):上下院ともに共和党が過半数を獲得
3.トランプ次期大統領の主要な経済政策および閣僚人事
  (経済政策):経済への影響は実現する政策次第
  (閣僚人事):閣僚人事が始動、上院での承認プロセスに注目

(2024年11月26日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

経歴
  • 【職歴】
     1991年 日本生命保険相互会社入社
     1999年 NLI International Inc.(米国)
     2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
     2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
     2014年10月より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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