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- 今後お金をかけたいもの・金融資産
2024年04月23日
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1――はじめに
ニッセイ基礎研究所では、毎年「生保マーケット調査」として、生命保険をはじめとする金融資産等への関心、購買行動等を調査している。本稿では、その中から、「今後(も)お金をかけていきたいもの」を尋ねた結果を使って、生命保険や株・債券等への関心の動向について紹介する。
2――お金をかけたい最多は「国内旅行」、ついで「貯蓄」
日常生活で、「今後(も)お金をかけていきたいもの」を3つまで回答してもらった。
全体で、最も高かったのは、「国内旅行」で32.1%だった。次いで「貯蓄(21.7%)」「その他自分の趣味(20.1%)」「外食(グルメ)(18.0%)」「株・債券等への投資(17.1%)」「健康・リラックス(16.9%)」が続いた。
金融商品についてみると、「貯蓄(21.7%)」が全体の2位、「株・債券等への投資(17.1%)が全体の5位となった。「保険(生命保険・損害保険含む)」は、1.4%(全体23位)にとどまった。保険は、生命保険の場合は加齢や疾病、あるいは家族が亡くなった場合、損害保険の場合は事故や災害等への備えの要素が大きいため、必要があったとしても、積極的に「お金をかけたいもの」というわけではないのかもしれない。
全体で、最も高かったのは、「国内旅行」で32.1%だった。次いで「貯蓄(21.7%)」「その他自分の趣味(20.1%)」「外食(グルメ)(18.0%)」「株・債券等への投資(17.1%)」「健康・リラックス(16.9%)」が続いた。
金融商品についてみると、「貯蓄(21.7%)」が全体の2位、「株・債券等への投資(17.1%)が全体の5位となった。「保険(生命保険・損害保険含む)」は、1.4%(全体23位)にとどまった。保険は、生命保険の場合は加齢や疾病、あるいは家族が亡くなった場合、損害保険の場合は事故や災害等への備えの要素が大きいため、必要があったとしても、積極的に「お金をかけたいもの」というわけではないのかもしれない。
3――2018年以降、株・債券等への投資が上昇
つづいて、2019年調査と2022年調査、および2019年~2022年調査の差を性、年齢群、加入/非加入、世帯年収、金融資産別にみた。
まず「貯蓄」について、(1)2019年・2022年調査の結果をみると、両調査とも女性、30~40歳代、生命保険の加入者、世帯年収が300~700万円未満世帯、世帯金融資産500~3000万未満世帯で高かった。2019年調査では700~1000万円未満世帯で高かった。(2)2019~2022年の変化をみると、女性、30~40歳代、世帯年収700万円以上世帯、世帯金融資産1000万円以上世帯で低下していた。
続いて「株・債券」について、(1)2019年・2022年調査の結果をみると、両調査とも男性、40歳代、生命保険加入者、世帯年収700万円以上、世帯金融資産1000万円以上世帯で高かった。2019年調査では30歳代も高かった。(2)2019~2022年の変化をみると、この3年間に特に上昇が著しかったのは、40歳代と60歳以上、世帯年収300~1000万円未満世帯、世帯金融資産1000~3000万円未満世帯だった。「株・債券への投資」はこの間、関心が上昇していたが、中高年世代で、貯蓄と比べると、世帯年収、世帯金融資産ともに中~高い世帯で特に関心が高かったと考えられる。
最後に「保険」について、(1)2019年・2022年調査の結果をみると、両調査とも特に高い層はなかったが、女性、生命保険非加入者で低かった。2019年調査では、世帯金融資産が500~1000万円未満世帯、2022年調査では男性、生命保険加入者、世帯年収1000万円以上世帯で高かった。(2)2019~2022年の変化をみると、この3年間に特に上昇が著しかったのは、世帯年収700万円以上世帯、世帯金融資産1000万円以上世帯だった。年収、金融資産の面では、株・債券への投資よりもややゆとりのある層の関心が高まった可能性が考えられる。
まず「貯蓄」について、(1)2019年・2022年調査の結果をみると、両調査とも女性、30~40歳代、生命保険の加入者、世帯年収が300~700万円未満世帯、世帯金融資産500~3000万未満世帯で高かった。2019年調査では700~1000万円未満世帯で高かった。(2)2019~2022年の変化をみると、女性、30~40歳代、世帯年収700万円以上世帯、世帯金融資産1000万円以上世帯で低下していた。
続いて「株・債券」について、(1)2019年・2022年調査の結果をみると、両調査とも男性、40歳代、生命保険加入者、世帯年収700万円以上、世帯金融資産1000万円以上世帯で高かった。2019年調査では30歳代も高かった。(2)2019~2022年の変化をみると、この3年間に特に上昇が著しかったのは、40歳代と60歳以上、世帯年収300~1000万円未満世帯、世帯金融資産1000~3000万円未満世帯だった。「株・債券への投資」はこの間、関心が上昇していたが、中高年世代で、貯蓄と比べると、世帯年収、世帯金融資産ともに中~高い世帯で特に関心が高かったと考えられる。
最後に「保険」について、(1)2019年・2022年調査の結果をみると、両調査とも特に高い層はなかったが、女性、生命保険非加入者で低かった。2019年調査では、世帯金融資産が500~1000万円未満世帯、2022年調査では男性、生命保険加入者、世帯年収1000万円以上世帯で高かった。(2)2019~2022年の変化をみると、この3年間に特に上昇が著しかったのは、世帯年収700万円以上世帯、世帯金融資産1000万円以上世帯だった。年収、金融資産の面では、株・債券への投資よりもややゆとりのある層の関心が高まった可能性が考えられる。
4――おわりに
以上のとおり、ニッセイ基礎研究所が実施している調査の結果を使って、「今後(も)お金をかけていきたいもの」を尋ねた結果を使って、生命保険や株・債券等への関心をみた。金融商品に注目すると、今後もお金をかけていきたいものとして「貯蓄」と「株・債券への投資」が2割前後、「保険」が1%程度だった。2015年以降の時系列でみると、「株・債券への投資」が2019年調査以降大幅に上昇していた。
関心が高いのは、貯蓄は女性、30~40歳代、世帯年収が中ぐらい、世帯金融資産が中~高い層で、株・債券は男性、40歳代、世帯年収は貯蓄より高め、世帯金融資産も貯蓄より高めだった。保険は大きな特徴はなかった。3年間で関心が高まったのは、株・債券は中高年、世帯年収中ぐらい、世帯金融資産高めの層だった。保険は、世帯年収、金融資産いずれも、株・債券よりもやや高い層で関心が高まっていた。
2024年から新NISAが開始し、金利もこれまでよりは上昇する可能性がある中で、金融商品への関心がどう変化するか今後も注視していく必要があるだろう。
関心が高いのは、貯蓄は女性、30~40歳代、世帯年収が中ぐらい、世帯金融資産が中~高い層で、株・債券は男性、40歳代、世帯年収は貯蓄より高め、世帯金融資産も貯蓄より高めだった。保険は大きな特徴はなかった。3年間で関心が高まったのは、株・債券は中高年、世帯年収中ぐらい、世帯金融資産高めの層だった。保険は、世帯年収、金融資産いずれも、株・債券よりもやや高い層で関心が高まっていた。
2024年から新NISAが開始し、金利もこれまでよりは上昇する可能性がある中で、金融商品への関心がどう変化するか今後も注視していく必要があるだろう。
(2024年04月23日「保険・年金フォーカス」)
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経歴
- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
村松 容子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/22 | 生命保険の基礎知識はなぜ定着しないのか | 村松 容子 | 保険・年金フォーカス |
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