コラム
2023年11月20日

年末ジャンボ 今年の狙い目は?-高額当せんを3つに分けて考えてみよう

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

◇ それでは、ミニの魅力は?

それでは、今年の年末ジャンボミニの魅力は、一体何なのか?

ずばり、1等前後賞合わせて5000万円の当せん本数の大幅増加だ。昨年まで、1ユニットあたり4本だった当せん本数が、今年は2.5倍の10本に増加している。5000万円といえば、大変高額な当せん金といえるはずだ。

ジャンボミニの1等の当せん確率は0.0001%で、これは、ジャンボの1等の当せん確率(0.000005%)の20倍に相当する。大変に高額な当せん金を受け取れる確率が、かなり高い、ということになる。

年末ジャンボミニは、「1等前後賞合わせて5000万円の高額当せんにチャレンジしたい」という希望に沿ったくじと言うことができる。
​年末ジャンボミニ

◇ 高額当せんを3つに分けて考えてみる ― 超高額は労働者の生涯賃金をはるかに上回る

以上をまとめると、今年の年末ジャンボ宝くじには、「一攫千金の狙いを中心に据えながら、あわせて当せん金100万円以上の高額当せんも狙いたい」という年末ジャンボと、「1等前後賞合わせて5000万円の高額当せんにチャレンジしたい」という年末ジャンボミニの、2種類の宝くじが用意されていることになる。

ここで、高額当せんというものを、(1) 1等前後賞合わせて10億円の超高額当せん、(2) 1等前後賞合わせて5000万円の大変高額な当せん、(3) 1000万円や100万円の高額当せん、の3つに分けて考えてみる。そうすると、年末ジャンボは(1)と(3)、年末ジャンボミニは(2)を狙うくじと位置づけることができる。大事な点は、どちらの宝くじも、当せん金1万円以上の賞も十分に狙えることだ。

このうち、(3)は、年収との関係で当せんした場合のうれしさが、なんとなく想像できる。一方、(1)と(2)は、どちらも日ごろはまず目にしないような高額であるため、イメージしにくいかもしれない。

そこで、労働者1人が生涯でいくら賃金を得るかを考えてみる。もちろん、労働者と言っても千差万別で、生涯賃金には幅があるだろう。ここでは、平均的な金額を見てみる。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の『ユースフル労働統計 2022』によると、日本では労働者の生涯賃金は、大学・大学院卒の男性で約2億6190万円、女性は約2億1240万円、高校卒の男性は約2億500万円、女性は約1億4960万円 (いずれも2020年) とされている。これらは、退職金を含めない金額だが、もし含めたとしても、生涯賃金は平均的には3億円に達しないだろう。

こう見ていくと、(1)の超高額当せんは、労働者の生涯賃金をはるかに上回るもので、通常はまず受け取ることができないほどの高額と言える。一方、(2)の大変高額な当せんは、労働者の生涯賃金内の金額と位置づけることができる。

例えば、家を建てたり、マンションを買ったりしようとする場合を考えると、物件にもよるが、(2)の金額がそれに近いといえるだろう。

◇ 年末ジャンボ 今年の狙い目は?

以上、2種類の宝くじの特徴を細かく見ていった。また、高額当せんというものを3つに分けて、その意味を考えてみた。それらを踏まえたうえで、それでは、今年の狙い目はなにか? ― これには、さまざまな買い方が考えられる。

「年末ジャンボを連番で3枚だけ買って10億円のてっぺんを目指す」という究極の頂点狙いの買い方は、シンプルで、かつ、とても潔い買い方といえるだろう。

「当せん本数の増えた1等を狙って、年末ジャンボミニを○○枚買おう」という買い方は、今年のジャンボミニの変更内容を熟知した、クレバーな買い方といえるかもしれない。

「今年は、年末ジャンボを◇◇枚、年末ジャンボミニを△△枚買い揃えて、いろいろな高額当せんを狙ってみよう」という買い方は、宝くじを存分に楽しむことを意識した買い方といえるだろう。

くじの買い方は人それぞれだ。これが正解といえるものはない。ただ、このようにいろいろ考えながらくじを買うところから、すでに宝くじの楽しさは始まっているといえる。

今年の宝くじの発売期間は12月22日(金)までで、時間はまだたっぷりある。

くじを買ったあとは、抽せん日(大晦日)まで、「もし10億円が当たったら…」、「□□万円の当せん金を手に入れたら…」などと夢想して、ドキドキ感やワクワク感を存分に味わう。

そうすることで、慌ただしい年の瀬を楽しく過ごすことができれば、すでに宝くじの効用を十分に得たことになるだろう。

(本稿をまとめるにあたり、参照したWebサイト)
 
「宝くじ公式サイト」(全国都道府県及び全指定都市)
 https://www.takarakuji-official.jp/
 
『ユースフル労働統計 2022 ― 労働統計加工指標集―』(独立行政法人労働政策研究・研修機構)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2022/index.html
Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

(2023年11月20日「研究員の眼」)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【年末ジャンボ 今年の狙い目は?-高額当せんを3つに分けて考えてみよう】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

年末ジャンボ 今年の狙い目は?-高額当せんを3つに分けて考えてみようのレポート Topへ