コラム
2023年07月31日

数字の「14」に関わる各種の話題-「14」という数字もあまり目立たないというイメージがあるかもしれないが-

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

はじめに

数字の「14」と聞いて、皆さんはどんなイメージを有するだろうか。あまり目立たない数字という印象を有している方が多いのではないだろうか。実際に、今回調べてみて、正直申し上げて、あまり特徴がなく、現れてくる場面も少ないような感じを受けている。

今回は、この数字の「14」について、それが現れてくる例やその理由等について調べてみた。

14日は2週間

「14」という数字を聞いて、恐らく多くの皆さんは、「2週間」というのを思い出すのではないだろうか。

給与の支払いにおいて「週給」の場合には、毎週支払われることになるが、各週の「2週間ごと」に支払われる場合もある。日本においては、月1回支払いの月給が主流になっているが、米国では毎週又は隔週払い(2週間に1回)が一般的になっている。

実際に米国の労働省が2022年2月に行った調査1によると、給与の支払頻度について、「2週間に1回(Biweekly)」が45.7%、「毎週1回(Weekly)」が31.8%、「毎月2回(Semimonthly)」が18.0%、「毎月1回(Monthly)」が4.4%となっており、2週間に1回あるいは毎月2回の支払頻度が6割を超えている。因みに、従業員規模1,000人以上の企業の場合、67.6%が2週間に1回となっている。なお、2週間に1回の場合には年間26回、毎月2回の場合には年間24回の支払いがあることになる。また、毎月2回の場合、毎月15日と30日といったような形で支払われているようだ。

日本においても、語学レッスン等で、毎週受けるのは、予算面や勉強の準備の負担感等から、ちょっと厳しいが、それでも月1回程度では間隔が空きすぎて身に付かないな、と思う人は、各週おきの2週間単位、又は月2回といったペースで受けられる方も多いかもしれない。

なお、英語では、2週間のことを「fortnight」と呼ぶ。もちろん「two weeks」や「14 days」といった言い方もできる。このように英語は2週間を表す特別な単語を有しているが、多くの言語では2週間を表す特別な単語はない。
 
1 米国労働省労働統計局(the Bureau of Labor Statistics)の以下のサイトに基づく。
https://www.bls.gov/ces/publications/length-pay-period.htm

麻雀の上がり牌は14枚

麻雀では、配牌は親が14枚、子が13枚となっている。子も, 牌山(ハイヤマ)から1枚取って、14枚とすることで、牌の組み合わせである「面子(メンツ)」を揃えることで上がりを目指す。

なぜ「14枚」なのかについての明確な理由はわからなかった。

多くのケースで、3枚セットの面子が4セットで12枚、残りの2枚が「対子(トイツ)」で、合計14枚で上がりの組み合わせができることになっている。3枚セットの面子が5セットの15枚でもよいではないかと思われるかもしれないが、おそらくは対子と面子の組み合わせが必要になることで、役作りに変化が生まれ、麻雀をより興味深いものにしているのではないかと推測される。

なお、さらに麻雀には「王牌(ワンパイ)」と呼ばれるものがあり、これはドラや嶺上牌(リンシャンパイ)2のために、ツモる3ための山から外された14枚のことを指している。これらは最後までツモられることなく残る。これは「触らずの14枚」とか「神様の牌」等と呼ばれることもある。これが14枚になっている理由については、諸説あるが「5人目のプレイヤー(対局者)として王様(神様)がいるため」と言われているようだ。
 
2 槓(カン)の時に王牌から補充する牌で、ドラ表示牌の左隣りの2枚2段=計4枚の牌。槓(カン)は鳴きの一種で、手牌(自分の持っている牌)の中に刻子(コーツ=同種牌の3枚組)がある場合、他のプレーヤーが捨てた同種牌を取得して、同一牌を4枚そろえて槓子(カンツ)を作るための行為。
3 麻雀で使われていた中国語『ツーモー(自摸)』を動詞にした言葉で、「山から牌を引く」あるいは「最後の1枚を牌山から引いて役を揃えて勝つ」ことを意味している。

東洋思想の完全な「15」に一歩及ばない数

東洋思想では十五夜(満月)に当たる15という数字を「完全な物」として捉える思想がある。一方で、14は「完全に一歩及ばない不完全な物」として、珍重されることもある。

京都の龍安寺の石庭には15個の石が並べてある。15個の石は、庭をどちらから眺めても、必ず1個は他の石に隠れて見えないように設計されていると言われており、15に1つ足りない14は「不完全さ」を表しているとされている。

ゴルフのクラブは14本まで

ゴルフでは、プレーヤーは 14 本までのクラブをバッグに入れることができる。

14本というのは最大本数であり、最低本数の制限はないので、14本以下であれば、何本でもプレーできる。なお、14本未満でプレーしていた場合には、 後から合計14本に達するまでクラブを追加することもできる。

それではなぜ「14本」なのか。これについては、以下の説が言われている。

1850年の全英アマに出場した選手が55本のクラブで競技に臨んだが、これだけの本数のクラブを運ぶのはキャディーに大変な負担がかかるし、クラブの選択にもものすごく時間かかかったということで、クラブの本数を制限すべきという話になった。当初は「1ダース(12本)+パター1本の合計13本」とする方向で検討されたようだが、13という数字が不吉だということで、1本追加されて14本になったようだ(数字の「13」については、研究員の眼「数字の「13」に関わる各種の話題-「13」は西洋では忌み数として嫌われているようだが-」(2022.6.13)で取り上げている)。

ソネットは14行

ソネット(sonnet」というのは、ヨーロッパ叙情詩の一形式である。13世紀のイタリアに始まり、14行からなる。「sonnet」という用語は、もともとは「小さな歌」という意味を有していたが、13世紀には、厳格な押韻構成と特定の構造を持つ14行の詩を意味するようになった。

「イタリア風ソネット」は、オクターブ(オクテーブ)と呼ばれる八行(四行が2つ)の前半部とセステットと呼ばれる六行(三行が2つ)の後半部の2つの部分で構成されている。

一方で、「シェイクスピア風ソネット」は、四行が3つと二行が1つで構成されている。

モルモットの指の総数は14本

モルモットの前の指は4本、後ろの指は3本で、合計14本となっている。

一般的なネズミの仲間は、前の指が4本、後ろの指が5本の場合が多いが、モルモットの場合、逃げる際に早く走れるように進化したからだと言われているようだ。

「14」はn=4の時のカタラン数

カタラン数(Catalan number」というのは、ベルギーの数学者ウジェーヌ・カタラン(Eugène Charles Catalan)(1814-1894)に因んで名付けられた自然数のクラスで、n番目のカタラン数 Cn は、以下の式で表される。
n番目のカタラン数 Cn
従って、n=4の時に、14となる。

この「カタラン数」の意味するところとしては、いくつかの説明がなされるが、例えば以下の例が挙げられる。

(1) 縦横nマスずつの格子において、対角線を股ぐことなく、格子点を通って、向かい合った点に最短距離で行く道順の総数
縦横nマスずつの格子において、対角線を股ぐことなく、格子点を通って、向かい合った点に最短距離で行く道順の総数
(2) (n+2)個の辺からなる凸多角形を、頂点どうしを結ぶ線を互いに交差しないように引いて、n 個の三角形に切り分ける場合の総数(各頂点は異なるものとして、回転させて同じ形になる場合も別のパターンとしてカウント)
(n+2)個の辺からなる凸多角形を、頂点どうしを結ぶ線を互いに交差しないように引いて、n 個の三角形に切り分ける場合の総数

その他

その他に、数字の「14」や「十四」が現れるケースとして、例えば以下のものが挙げられる。

・英語の重量を表す単位として、1stoneは14 pounds

・結婚14周年の記念式は「象牙婚式」と呼ばれる。結婚14年目が象牙婚式といわれるのは、象牙が象の成長とともに少しずつ大きくなるのと同様に、歳月を重ねて夫婦の絆が強くなることに由来している。

・14階は13階を表す呼称になっているケースもある。これも「13」という数字が不吉だと考えられていることによる。

最後に

今回は数字の「14」について、それが現れてくる例やその理由等について、報告してきた。

「14」という数字は、「13」と「15」という2つの数字に挟まれている。「13」は西洋を中心に不吉な数と見なされ、「15」は東洋思想では完全な数と見なされている。こうした間にある数値として、「13」の代わりに使用されたり、(必ずしも悪い意味ではなく)不完全さを表すために使用されたりしているようだ。

「14」という数字は、何となく目立たない数字で特徴がないとの印象もあると思われるが、「14」という数字もそれなりの使われ方がされて、独自の意味合いを有しているということで、何かの機会にでも思い出してもらえればと思っている。
Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

中村 亮一

研究・専門分野

(2023年07月31日「研究員の眼」)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【数字の「14」に関わる各種の話題-「14」という数字もあまり目立たないというイメージがあるかもしれないが-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

数字の「14」に関わる各種の話題-「14」という数字もあまり目立たないというイメージがあるかもしれないが-のレポート Topへ