2022年09月28日

成年後見制度の利用促進には何が必要か

坂田 紘野

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■要旨

「2025年問題」の到来等を背景に、判断能力が不充分な方の増加が想定されている。そのような方の意思決定支援のための制度としては、成年後見制度が存在するが、様々な課題があること等を背景に、利用は期待されるほど広がってはいない。政府は、利用促進に向けた基本計画を策定し、制度の運用改善や制度の担い手の確保等の取組を進めている。それ自体は好ましい動きであるものの、更なる利用促進のためには必要性や補充性を考慮した、一層の制度の利用しやすさの確保が求められるだろう。

■目次

1――はじめに:認知症や単身の高齢者は増加の見込み
2――成年後見制度の概要
  2.1 基本理念
  2.2 利用状況
3――成年後見制度の利用が広がらない理由
  3.1 「使いづらい」制度
  3.2 「使いづらさ」の背景
4――成年後見制度の利用促進に向けた取組
  4.1 「骨太の方針」における記述
  4.2 第二期成年後見制度利用促進基本計画
5――成年後見制度をめぐる今後の課題
  5.1 一度利用開始したら原則制度利用が継続する点
  5.2 担い手の確保と柔軟な交代・選任の取組に実効性はあるか
  5.3 資産運用の柔軟性が乏しい点
  5.4 報酬助成制度が整備の途上である点
6――必要性・補充性に焦点を当てた制度の見直しが望まれる

(2022年09月28日「基礎研レポート」)

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