2022年07月05日

韓国の生命保険市場の現状-2020年と2021年のデータを中心に-

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

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■要旨
 
  • 韓国の生命保険協会が2021年12月に発表した「生命保険性向調査」によると、2021年における生命保険の世帯加入率は81.0%で、2018年の86.0%に比べて5.0%ポイントも低下した。
     
  • 最近加入した生命保険商品は、疾病保障保険(42.8%)、実損填補型医療保険(22.7%)、災害傷害保険(16.6%)、死亡保障保険(6.2%)が上位4位を占めた。
     
  • 2020年の収入保険料は、特別勘定の収入保険料(39.8兆ウォン)が対前年比6.0%減少したものの、一般勘定の収入保険料(79.8兆ウォン)が対前年比6.6%増加した結果、対前年比2.0%増加した(119.6兆ウォン)。
     
  • 2020年時点の収入保険料の払込方法は、月納が76.9%で最も多く、次いで、一時納(12.7%)、年納(10.2%)の順であり、月納の割合が毎年低下傾向を見せていることに比べて、年納の割合は増加傾向にあることが分かる。
     
  • 生命保険の販売チャネルの推移を初回保険料を基準としてみてみると、過去には保険外交員による販売が多かったものの、バンカシュアランスが登場してからは保険外交員のシェアは低下傾向にある。
     
  • 2020年における生命保険業界の当期純利益は約3.5兆ウォンで、前年と比べて10.8%増加した。
     
  • 新型コロナウイルスの影響が長期化する中、韓国における2021年の生命保険の総資産は992兆ウォンで、2020年の977兆ウォンに比べて1.5%増加した。


■目次

1――加入状況
2――収入保険料推移
3――保険商品
4――販売チャネルと販売制度
5――収支動向
6――結びに代えて
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生活研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
労働経済学、社会保障論、日・韓における社会政策や経済の比較分析

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
    独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職

    ・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
    ・2015年~  日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
    ・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
    ・2021年~ 専修大学非常勤講師
    ・2021年~ 日本大学非常勤講師
    ・2019年  労働政策研究会議準備委員会準備委員
           東アジア経済経営学会理事
    ・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
    ・2021年  第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員

    【加入団体等】
    ・日本経済学会
    ・日本労務学会
    ・社会政策学会
    ・日本労使関係研究協会
    ・東アジア経済経営学会
    ・現代韓国朝鮮学会
    ・韓国人事管理学会
    ・博士(慶應義塾大学、商学)

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【韓国の生命保険市場の現状-2020年と2021年のデータを中心に-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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