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3年に一度の介護保険制度改正の議論が本格始動-ケアプラン有料化などが焦点、科学的介護、人材不足対応も
保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳
3年に一度の頻度で実施される介護保険制度の見直し論議が本格化しつつある。介護保険制度は創設から約20年を経て、総費用が3倍以上に増加。訪問介護を中心に人材不足も顕在化しつつあり、制度の持続可能性が問われている。
このため、見直し論議がスタートした社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護保険部会では今後、負担増や給付抑制に関する検討が進むと予想される。具体的には、ケアプラン(介護サービス計画)の作成を含めたケアマネジメント費(居宅介護支援費)の有料化に加え、要介護1~2の人の給付見直し、原則1割負担の利用者負担の引き上げなどが想定される。
さらに、身体的自立に着目した介護予防を強化する観点に立ち、データを重視する科学的介護の充実なども論点になると思われる。このほか、深刻な人材不足に対応するため、ICT・ロボットの活用や人員基準の見直しなども論点になると考えられる。今回は給付抑制や負担増、人材不足への対応に関する部分を中心に、年末に向けた今後の介護保険制度改正を展望する。
■目次
1――はじめに~3年に一回の介護保険の制度改正論議が本格化~
2――介護保険部会など政府の会議における議論
1|介護保険部会の議論
2|具体論の言及を避けた骨太方針の記述
3|昨年末に見直された新経済・財政再生計画改革工程表の内容
3――想定される制度改正の主な内容
1|ケアマネジメント費の有料化
2|軽度者への生活援助、福祉用具貸与の見直し
3|現役並み所得基準の見直し
4――介護予防の強化
1|科学的介護の推進
2|「通いの場」の充実など
5――人材不足への対応策
6――おわりに
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