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カーボンプライシングとは-脱炭素に向けた経済的手法の特長と課題および導入状況
金融研究部 企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 梅内 俊樹
気候変動の緩和に向けてCO2などの温室効果ガスの早急かつ大幅な排出削減が求められるなか、その実現に向けて注目される政策の一つにカーボンプライシングがある。CO2の排出に対して経済的な負担を求めることによって、民間企業や消費者などのあらゆる主体に省エネや脱炭素に向けた取り組みを促す経済的手法である。炭素に価格を付けて排出コストが排出量に比例するように決まる仕組みであり、CO2排出にコストが伴うことを意識させることによって、排出削減のインセンティブを高めるとともに、排出削減に向けたコスト効率的な技術開発を促進する効果が期待されている。
カーボンプライシングの代表的な手法として、炭素税と排出量取引制度の2つがあり、2つの手法に共通する効果として、脱炭素化に向けた投資や技術の普及などを後押しできることが挙げられる。炭素価格が高くなるような設計とすることで、より大きな排出削減を期待できる。その反面、炭素価格が高ければ、電気ガス料金などのエネルギーコストが上昇するといった課題もある。
2005年以降、世界ではカーボンプライシングを導入する国や地域が増えている。国内でも、2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けて、炭素税や排出量取引制度の検討が進められている。今後の議論の行方が注目される。
■目次
1――脱炭素に向けた進捗状況
2――代表的なカーボンプライシングの概要
3――カーボンプライシングの海外での導入状況
4――国内における検討状況
03-3512-1849
- 【職歴】
1988年 日本生命保険相互会社入社
1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
2009年 ニッセイ基礎研究所
2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
2013年7月より現職
2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
2021年 ESG推進室 兼務
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