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ESGのEとは-世界的に危機意識が高まる環境課題

金融研究部 企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 梅内 俊樹
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ESGは2006年に国連が発表した責任投資原則(PRI)の中で提唱されたことを切っ掛けに、広く認識されるようになった投資判断の新たな観点である。財務情報とともに、ESG課題への対応や情報開示も考慮した投資であり、投資される側の主体にもESG課題への取り組みを促すことで、持続可能性の確保を目指す投資アプローチである。
E(Environment:環境)、S(Social:社会)、G(Governance:ガバナンス)の3つの側面のうちE(環境)では、持続可能性を確保する上で解消が不可欠な環境課題はすべて考慮すべき対象に含まれる。その中でも、世界共通の中心的課題となっているのが気候変動、つまり地球温暖化の影響である。また、ここ数年で急速に危機感が高まっている環境課題として、生物多様性の喪失が挙げられる。この他にも配慮すべき環境課題は多岐にわたる。
深刻化する環境課題に対処する上で、重要となるのが企業や金融市場が果たす役割である。企業は資源の循環的な利用を可能とする取り組みを進めて適切に情報開示し、投資家は開示情報の評価に基づき適切に資金を供給することが重要であり、環境に配慮した経済活動の拡大を通じて、中長期的に経済成長と環境保全の両立を可能とする経済・社会システムの構築が求められる。
■目次
1――E(環境)に係わる主要課題
2――気候変動に係わる動き
3――生物多様性の喪失に関する動き
4――環境課題の緩和に向けて
(2021年05月25日「基礎研レター」)

03-3512-1849
- 【職歴】
1988年 日本生命保険相互会社入社
1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
2009年 ニッセイ基礎研究所
2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
2013年7月より現職
2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
2021年 ESG推進室 兼務
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