2021年10月22日

エピックゲームズ対Apple地裁判決-反トラスト法訴訟

保険研究部 常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任   松澤 登

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■要旨

2020年8月、フォートナイトというゲームの開発者であるエピックゲームズは、Appleの規定するアプリ内課金システムを回避するために、アップデートにユーザーから直接エピックゲームズがデジタルコンテンツの料金を徴収できる仕組みを組み込んだ。
 
これに対してAppleが規約違反を理由にアプリストアからフォートナイトのアプリを削除した。これを受けて、反トラスト法違反を理由にアプリ削除を無効とするようエピックゲームズが訴えたのが本件裁判である。
 
カルフォルニア州連邦地裁は、2021年9月10日に判決を行った。それによると競争が行われる「関連市場」はデジタルモバイルゲーム取引であるとする。裁判所は、この関連市場でAppleが57.1%のシェアを有し、かつ過剰な超過収益を得ていることを認定した。
 
他方、参入障壁や関連市場における生産量(output)の減少やイノベーションの抑制という、反競争的行為がもたらす重要なファクターを認定することができなかった。反トラスト法違反であることを主張立証することは不可能とは考えないが、エピックゲームズは立証責任を満たすことに失敗したとする。
 
ただし、Appleのアンチステアリング条項は、重要な情報を消費者から隠蔽し、違法に消費者の選択を阻害するものであり、カリフォルニア州不公正競争法違反であると結論付けた。アンチステアリング条項は、Appleの初期の反競争法違反行為の存在を前提とすると、不公正競争法上で反競争的であるとし、当該条項の全面的な削除を命じた。

■目次

1――はじめに
2――地裁提訴にいたるまでの経緯
  1|訴訟提起に至るまでの経緯
  2|エピックゲームズの訴訟提起と第一次判決
3――地裁判決の概要
  1|エピックゲームズとAppleの主張(要旨)
  2|地裁の結論(要旨)
4――地裁の判断 (1)関連市場の画定
  1|エピックゲームズの主張の概要
  2|アプリ配信市場についての裁判所の判断
  3|アプリ内支払処理システム市場についての裁判所の判断
  4|Appleの主張と裁判所の判断
  5|関連市場におけるAppleの市場シェア
5――地裁の判断 (2)市場支配力
  1|価格
  2|契約上制限の性格
  3|営業利益率
  4|参入障壁
6――地裁の判断 (3)反競争的行為の影響と正当化事由
  1|アプリ配信制限に関する反競争的行為の影響
  2|アプリ内支払処理システム強制に関する反競争的行為の影響
7――地裁の判断 (4)法のあてはめ
  1|関連市場およびAppleのシェア
  2|シャーマン法1条とシャーマン法2条の適用
  3|シャーマン法1条のもとでの抱き合わせ販売
  4|カリフォルニア州カートライト法
  5|カリフォルニア州不公正競争法
8――検討
9――おわりに
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保険研究部   常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
保険業法・保険法|企業法務

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