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ESGのGとは-重要視されるコーポレートガバナンス
金融研究部 企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 梅内 俊樹
ESGを構成するE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の3つの要素のうち、ガバナンスを最も重視する機関投資家は多いが、上場企業の間でもコーポレートガバナンスを重視するとの声は多い。背景には、コーポレートガバナンスが企業経営に係わる課題であり、あらゆる企業に例外なく認識される課題であることや、コーポレートガバナンスが環境や社会の諸課題に対処する上での大前提として認識されている可能性があることがある。
コーポレートガバナンスは様々な意味を持つ概念だが、最近では、中長期的な企業価値向上のための方策として捉えられるようになっている。中でも、機関投資家やESG評価機関の関心が高い課題として、取締役会の実効性に関わる「取締役会の独立性」や「役員報酬の有効性」が挙げられる。
気候変動などの環境課題や格差拡大などの社会課題が深刻化するなかで、「企業は、環境や従業員、顧客、取引先、地域社会など、株主以外のステークホルダーにも経済的な利益をもたらす責任がある」とするステークホルダー資本主義といった考え方に焦点が当てられはじめている。今後、コーポレートガバナンスにおけるESG課題の重要性は一段と高まる可能性がある。
■目次
1――ESGは着実に普及
2――重要視されるG(ガバナンス)
3――コーポレートガバナンスとは
1|コーポレートガバナンスの主な目的
2|コーポレートガバナンスの主なテーマ
4――ESG課題への踏み込んだ関与が求められる可能性
(2021年07月28日「基礎研レター」)
03-3512-1849
- 【職歴】
1988年 日本生命保険相互会社入社
1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
2009年 ニッセイ基礎研究所
2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
2013年7月より現職
2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
2021年 ESG推進室 兼務
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