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コロナ禍における生活の変化(4)-「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」からみる生活不安の変化と地域間較差

井上 智紀
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1――はじめに
1 井上智紀(2021)「コロナ禍における生活の変化(3)-「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」からみる生活行動の変化と地域間較差」『基礎研レター』(2021/05/07)
2 調査概要等、調査の詳細は弊社サイト内の特設ページを参照されたい。
2――感染不安
9月から12月にかけての変化では「自分や家族の感染による健康状態の悪化」「感染が懸念されても適切な検査が受けられない」「感染しても適切な治療が受けられない」が多くの地域で増加している一方で、「自分や家族の感染による世間からの偏見や中傷」では甲信越、北陸、近畿および大阪府、南九州で、「自分や家族の感染による人間関係への悪影響」では甲信越、東海、中国、南九州で減少している。また、12月から3月にかけての変化では、「感染しても適切な治療が受けられない」はほとんどの地域で、「自分や家族の感染による健康状態の悪化」「感染が懸念されても適切な検査が受けられない」「自分や家族の感染による世間からの偏見や中傷」「自分や家族の感染による人間関係への悪影響」は多くの地域で、それぞれ減少している。
3――経済不安
9月から12月にかけての変化では、「世界経済が悪化し、世界大恐慌に陥る」は北海道、東北、中国、四国で、「日本経済が悪化し、企業業績や雇用環境が悪化」は北関東、四国、南九州で、「東京五輪が開催されず、日本経済がさらに悪化」は中国、四国、南九州で増加している。一方、12月から3月にかけては、これらの不安項目は一部の地域を除いてほぼ全面的に減少しており、総じてマクロの経済環境に対する不安は払拭に向かっているように見受けられる。身近な経済環境に対する不安についても同様に、9月から12月にかけては「勤務先の業績悪化による収入減少、雇用の不安定化」は北海道、北関東、東京都、愛知県、北九州で、「自分や家族の収入減少」は東京都、四国で、「自分や家族が仕事を失う」は東京都、中国、四国、北九州で増加していたものが、12月から3月にかけてはほとんどの地域で減少に転じている。
4――働き方不安
9月から12月にかけての変化では、「在宅勤務が増え、労働時間が長くなる」は東北、東京都、北九州、南九州で、「在宅勤務が増え、集中力やモチベーションが低下する」は東北、東海および愛知県、南九州で、「在宅勤務が増え、コミュニケーションが取りにくくなる」は中国、北九州、南九州で、「在宅勤務が増え、残業代が減る」は北関東、甲信越、東海および愛知県、北九州、南九州で、それぞれ増加している。また、「在宅勤務が増え、時間管理型から成果主義へ変わる」は北海道、甲信越、近畿および大阪府、南九州で、「在宅勤務ができる仕事ではないため、継続しにくくなる」は東京都、甲信越を除く全ての地域で増加している。一方、12月から3月にかけては、「在宅勤務が増え、労働時間が長くなる」「在宅勤務が増え、集中力やモチベーションが低下する」は北海道、北関東、大阪府、中国で、「在宅勤務が増え、コミュニケーションが取りにくくなる」は北関東で、「在宅勤務が増え、残業代が減る」は北海道、東北、中国で、「在宅勤務が増え、時間管理型から成果主義へ変わる」は東北、北関東、愛知県、中国で、「在宅勤務ができる仕事ではないため、継続しにくくなる」は中国で、それぞれ増加している。
(2021年05月11日「基礎研レター」)
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井上 智紀
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