- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 暮らし >
- 消費者行動 >
- さらに進んだ若者のアルコール離れ-20代の4分の1は、あえて飲まない「ソーバーキュリアス」
2020年02月03日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
■目次
1――はじめに
~「アルコール離れ」でノンアル専門のバーも登場、ソーバーキュリアスという新潮流も
2――飲酒習慣率の変化
~「若者のアルコール離れ」が見えるが、20年前でも飲酒習慣のある若者は3割
3――飲酒頻度の変化~若者の4分の1程度があえて飲まない「ソーバーキュリアス」
4――飲酒日1日あたりの飲酒量の変化~多く飲む層が減り、中間層や少ない層が増加
5――おわりに~広がる「ソーバーキュリアス」、今後は薄く飲む層へのアプローチが鍵?
- 「若者のアルコール離れ」が言われて久しい。厚生労働省「国民健康栄養調査」によると、20~30代の男性の飲酒習慣率(週3日以上、1日1合以上飲酒する割合)は20年前と比べておよそ半分程度となり、もともと飲酒習慣率の低い20代女性では、現在、わずか3%となっている。
- 飲酒の頻度も低下しており、今の若者の半数程度は日頃からアルコールを飲んでおらず、このうち半数程度は飲めるけれど、ほとんど飲んでいない。米国のミレニアル世代では、身体や精神の健康のために、あえてアルコールを飲まない「ソーバーキュリアス」が登場している。日本でも若者の4分の1程度に「ソーバーキュリアス」傾向がある。
- 若者に「ソーバーキュリアス」傾向がみられ「若者のアルコール離れ」は進んでいるものの、若者は「飲みニュケーション」から離れているだけであり、職場の「コミュニケーション」から離れているわけではないようだ。新入社員を対象にした調査によると、上司を交えた飲み会や社内イベントへの参加意向は6割と高い。
- 一方、既存の酒造業や居酒屋等の外食産業の活路はどこにあるのかと言えば、まずあげられるのは、越境EC(海外へ向けたインターネット販売)を通じた輸出である。国内では、薄く飲む層に向けたアプローチがあげられるが、アルコールへの関心が高い層ではないため、アルコールという入口から考えるのではなく、ライフスタイルのどこにアルコールがはまるのかという視点が重要だ。
■目次
1――はじめに
~「アルコール離れ」でノンアル専門のバーも登場、ソーバーキュリアスという新潮流も
2――飲酒習慣率の変化
~「若者のアルコール離れ」が見えるが、20年前でも飲酒習慣のある若者は3割
3――飲酒頻度の変化~若者の4分の1程度があえて飲まない「ソーバーキュリアス」
4――飲酒日1日あたりの飲酒量の変化~多く飲む層が減り、中間層や少ない層が増加
5――おわりに~広がる「ソーバーキュリアス」、今後は薄く飲む層へのアプローチが鍵?
(2020年02月03日「基礎研レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1878
経歴
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/22 | 家計消費の動向(二人以上世帯:~2025年2月)-物価高の中で模索される生活防衛と暮らしの充足 | 久我 尚子 | 基礎研レポート |
2025/04/14 | 「トキ消費」の広がりとこれから-体験が進化、共有が自然な消費スタイル、10年後は? | 久我 尚子 | 研究員の眼 |
2025/04/08 | 2025年の消費動向-節約一服、コスパ消費から推し活・こだわり消費の広がり | 久我 尚子 | 基礎研マンスリー |
2025/04/01 | 「こづかい」が20年で7割減少?-経済不安、キャッシュレスやサブスクなど消費のデジタル化の影響も | 久我 尚子 | 基礎研レター |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【さらに進んだ若者のアルコール離れ-20代の4分の1は、あえて飲まない「ソーバーキュリアス」】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
さらに進んだ若者のアルコール離れ-20代の4分の1は、あえて飲まない「ソーバーキュリアス」のレポート Topへ