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AI・IoTの利活用の在り方-米メジャーリーグの「データ革命」に学ぶ
社会研究部 上席研究員 百嶋 徹
「AI(人工知能)は雇用を奪う」とのAI脅威論は根強い。一方、筆者は、「AIを活用した未来社会がどのようなものになるかを決めるのは、AIではなく、それを開発・進化させる科学者・開発者やそれをツールとして社会に実装・利活用する経営者など、人間自身であるはずだ。AIを単なる人員削減のための道具ではなく、人間と共生する良きパートナーと位置付けるべく、ビッグデータから人間では気付けない関係性やわずかな予兆を捉えるなど、AIにしか出来ない役割や、画像認識など既にAIが人間の能力を上回っている機能をAIに担わせるように、人間自身が強い意思を持って導くことが重要である」と考えている。AIに関わる科学者・開発者や経営者には、AIの開発・実装において、このような理想的なAIの在り方を目指した、明確な「哲学」や「原理原則」を強く持つことが求められるのではないだろうか。
このような考え方を実践していく上で、米メジャーリーグ(MLB)で今起きている「データ革命」に学ぶべきことが多々あるように思われる。MLBでは、この4~5年でグラウンドでのビッグデータの収集・分析が進み、これをうまくプレーに取り入れた選手やチームが躍動し、科学の力がベースボールを新たな時代へと導いた、と言われている。
そこで本稿では、MLBのデータ革命を概観した上で、そこから得られる、AI・IoT(モノのインターネット)の産業・社会利用へのインプリケーションについて、産業界の視点から考えてみたい。
■目次
1――はじめに
2――米メジャーリーグの「データ革命」の概要
1|IoTに基づくデータ革命は選手の意識を変えた
2|フライボール革命~従来のセオリーを覆す打撃理論の台頭
3|アストロズの徹底したデータ戦略
3――MLBのデータ革命から得られるインプリケーション
1|理念・原理原則・目的の在り方
2|人材・組織の在り方
3|協調領域と競争領域の切り分けの重要性
4|ITインフラの見極め・選択の重要性
4――おわりに~日本発のデータ共有・共用モデルを示せ!
(2019年03月29日「基礎研レポート」)
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社会研究部 上席研究員
百嶋 徹 (ひゃくしま とおる)
研究・専門分野
企業経営、産業競争力、産業政策、イノベーション、企業不動産(CRE)、オフィス戦略、AI・IOT・自動運転、スマートシティ、CSR・ESG経営
03-3512-1797
- 【職歴】
1985年 株式会社野村総合研究所入社
1995年 野村アセットマネジメント株式会社出向
1998年 ニッセイ基礎研究所入社 産業調査部
2001年 社会研究部門
2013年7月より現職
・明治大学経営学部 特別招聘教授(2014年度~2016年度)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
・(財)産業研究所・企業経営研究会委員(2007年)
・麗澤大学企業倫理研究センター・企業不動産研究会委員(2007年)
・国土交通省・合理的なCRE戦略の推進に関する研究会(CRE研究会) ワーキンググループ委員(2007年)
・公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会CREマネジメント研究部会委員(2013年~)
【受賞】
・日経金融新聞(現・日経ヴェリタス)及びInstitutional Investor誌 アナリストランキング 素材産業部門 第1位
(1994年発表)
・第1回 日本ファシリティマネジメント大賞 奨励賞受賞(単行本『CRE(企業不動産)戦略と企業経営』)
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