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「社会的ミッション起点の真のCSR経営」の再提唱-企業の目的は利益追求にあらず、社会的価値創出にあり
社会研究部 上席研究員
百嶋 徹 (ひゃくしま とおる)
研究・専門分野
企業経営、産業競争力、イノベーション、企業不動産(CRE)・オフィス戦略、AI・IOT・自動運転、スマートシティ、CSR・ESG経営
03-3512-1797
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日本企業の不祥事が後を絶たない。特にCSR(企業の社会的責任:Corporate Social Responsibility)やESG(環境・社会・企業統治)の取り組みを実践する優良企業と言われていた日本有数の大企業でも相次いでおり、「CSR、ESGとは何か」と改めて考えさせられる。
筆者は、社会課題解決(志の高い社会的ミッションの実現)による社会的価値(social value)の創出を企業経営の上位概念に位置付け、その結果の報酬として経済的リターンを捉える「志の高い社会的ミッションを起点とする真のCSR経営」を、パーパス経営が提唱される以前の2008年頃からいち早く唱えてきた。
この「社会的ミッション起点の真のCSR経営」の対極にあるのが、「目先の利益追求を優先する短期志向(ショートターミズム:short-termism)の経営」だ。筆者が「社会的ミッション起点の真のCSR経営」を提唱する際に、付加価値分配構造の詳細な考察に基づいて、我が国の大企業の多くが経営の短期志向に陥っていることをいち早く指摘した。
本稿では、「社会的ミッション起点の真のCSR経営」とは何かを改めて詳説した上で、データをアップデートした付加価値分配構造の分析結果から、筆者がいち早く打ち出した「我が国の大企業の多くが経営の短期志向に陥っている」との主張は現時点でも変わらないことを論じたい。足下で欧米の右派・保守派の政党が反ESGの動きを強めている中でも、我が国の大企業には、こだわり続けて変えてはいけない企業経営の「在り方・原理原則」として、筆者が提唱してきた「社会的ミッション起点の真のCSR経営」を、産業界で久々に高水準の賃上げ機運が高まっている今こそ、力強く推進・実践することを推奨したい。
■目次
1――はじめに
2――「社会的ミッション起点の真のCSR経営」とは何か?
1|企業の社会的責任・存在意義は社会的価値創出にあり
2|「非金銭的リターン」の重要性
3――「社会的ミッション起点のCSR経営」を2008年頃からいち早く提唱
1|米ビジネスラウンドテーブルが2019年にパーパス経営の実践を表明
2|2015年を境に「社会的ミッション起点のCSR経営」の考え方に時代が追い付いてきた
4――ドラッカーが唱えるSR概念~あらゆる組織が「社会的」であるべき
5――CSRに対する2つの根強い根本的誤解
1|【誤解(1)】CSR=フィランソロフィー➡CSRは古い
2|【誤解(2)】企業の目的=経済的リターンの獲得
6――バランスを欠く付加価値分配に舵を切る日本の大企業
1|大企業製造業の分析
2|大企業非製造業の分析
7――社会変革に挑戦する高い志への回帰
1|社会的価値創出に邁進する米国ハイテク企業と経営の短期志向に陥る日本企業
2|原点回帰するパナソニック
8――むすび
参考文献
(2025年03月31日「基礎研レポート」)
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