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CSRとCRE戦略-企業不動産(CRE)を社会的価値創出のプラットフォームに
社会研究部 上席研究員 百嶋 徹
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■要旨
CRE(Corporate Real Estate)とは、企業が事業を継続するために使うすべての不動産を指し、これを重要な経営資源の一つに位置付け、その活用、管理、取引(取得、売却、賃貸借)に際し、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を踏まえた上で、企業価値最大化の視点から最適な選択を行う経営戦略を「CRE戦略」と呼ぶ。「CRE戦略」については、外国人持ち株比率の上昇や物言う株主の台頭により資本市場から一層高まっている資産効率向上の要請、固定資産の減損会計適用など時価会計に向けた会計制度の変更、内部統制強化の要請などを背景に、適切なマネジメント体制の下で組織的に取り組む必要性が高まっている。
我が国では、産官学の多様な組織によってCRE戦略の普及啓発が図られてきた結果、CRE戦略という言葉は産業界に広まりつつあるが、適切なマネジメント体制の下で組織的にCRE 戦略に取り組む企業はまだ少ない。
一方、後述するように、企業はCSRを実践し社会的価値創出に取り組み、結果として利益最大化を図らなければならないと筆者は考える。企業の利益は、事業ポートフォリオ、立地、設備投資、研究開発(R&D)、知的財産管理、資材調達、生産管理、マーケティング、企業財務、人的資源管理(HRM:Human Resource Management)、CRE、ファシリティマネジメント(FM)、ITなどあらゆる経営資源を変数とする関数と見なせる。ここで、利益最大化を図るためには、個々の戦略の部分最適ではなく、CSRの視点を踏まえた上で、あらゆる経営資源の全体最適化を図る必要がある。
CRE戦略も不動産だけの部分最適ではなく、この経営資源の全体最適化行動の中で決定しなければならない。このようにCRE戦略の実践においてもCSRの視点が不可欠であり、本稿では「CSRとは何か」を考察した上で、CSRを踏まえたCRE戦略の在り方について考えてみたい。
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03-3512-1797
(2015年03月31日「基礎研レポート」)
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