- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- インフレは生活を豊かにするのか?-求められるインフレなき賃金上昇
インフレは生活を豊かにするのか?-求められるインフレなき賃金上昇

神戸大学経済経営研究所 リサーチフェロー ニッセイ基礎研究所 客員研究員 高橋 亘
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
インフレが物価高という名で生活苦をもたらしているのに、インフレを待望した「物価と賃金の好循環」を疑う声は高まらず実質賃金の下落が続いている。暮らし向きの改善には、賃金・所得の増加は必須だが、そのためにインフレは論理的には必要はないし、逆に実際には暮らし向きを悪化させている。インフレと賃上げでは、優先すべきは賃上げであり、必ずしもインフレを先行させる必要はない。賃金は、企業・個人の業績によって決まるもので、インフレ自体では実質賃金の上昇は望めない。
本稿1では、好循環論などのインフレ待望政策を批判的に検討するとともにインフレを伴わない賃上げの方途について考えていく。そのなかで、賃上げに対する経営の責任と政府自身が率先すべき賃上げ策として、エッセンシャルワーカーの処遇改善などを挙げた
1 本稿は同名の神戸大学経済経営研究所デイスカッション・ペーパーを転載したものである。
■目次
1――はじめに:インフレ政策・好循環論への疑問
2――政策目標の在り方:最優先は暮らし向きの改善
3――インフレと賃金上昇
1|賃金と物価の好循環:フィリップス曲線では実質賃金は低下
2|インフレによる経済活性化:懸念は価格機能への悪影響
3|価格転嫁とホームメードインフレ:負担の分担と便乗値上げ
4|2%のインフレ目標:現状の問題点
4――賃金上昇、インフレ以外の途
1|賃金上昇:マクロの原則とミクロの原則
2|生産性の上昇:経営による工夫が必要
3|賃金上昇とコーポレート・ガバナンス改革:賃上げは経営の決断
4|エッセンシャルワーカーの賃上げの優先:政府の率先が重要
5――結びに代えて:ケインズの観察
(2025年08月06日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
神戸大学経済経営研究所 リサーチフェロー ニッセイ基礎研究所 客員研究員 高橋 亘
神戸大学経済経営研究所 リサーチフェロー ニッセイ基礎研究所 客員研究員 高橋 亘のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/06 | インフレは生活を豊かにするのか?-求められるインフレなき賃金上昇 | 神戸大学経済経営研究所 リサーチフェロー ニッセイ基礎研究所 客員研究員 高橋 亘 | 基礎研レポート |
新着記事
-
2025年08月20日
日米欧の産業別の経済成長 -
2025年08月20日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その12)-螺旋と渦巻の応用- -
2025年08月20日
貿易統計25年7月-貿易収支は事前予想を大きく下回ったが、関税引き上げの影響本格化はこれから -
2025年08月20日
米住宅着工・許可件数(25年7月)-着工件数(前月比)は減少予想に反して前月から2ヵ月連続の増加 -
2025年08月19日
「縮みながらも豊かに暮らす」社会への転換(3)-「稼ぐ力」「GX」強化と若年・女性参加を促す「ウェルビーイング」
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【インフレは生活を豊かにするのか?-求められるインフレなき賃金上昇】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
インフレは生活を豊かにするのか?-求められるインフレなき賃金上昇のレポート Topへ