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- 鉱工業生産15年12月~3四半期ぶりの増産だが、回復にはほど遠い
2016年01月29日
1.生産は2ヵ月連続の低下
経済産業省が1月29日に公表した鉱工業指数によると、15年12月の鉱工業生産指数は前月比▲1.4%と2ヵ月連続で低下し、先月時点の予測指数の伸び(前月比0.9%)、事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲0.3%、当社予想も同▲0.3%)をともに大きく下回った。出荷指数は前月比▲1.7%と2ヵ月連続の低下、在庫指数は前月比0.4%と2ヵ月連続の上昇となった。
12月の生産を業種別に見ると、訪日外国人向けの需要拡大を追い風に底堅い動きが続いている化学(除く医薬品)は前月比0.3%の増加となったが、はん用・生産用・業務用機械(前月比▲2.9%)、電子部品・デバイス(前月比▲3.5%)など主要業種が軒並み大きく落ち込んだ。速報段階で公表される15業種中11業種が前月比で低下、4業種が上昇した。
15年10-12月期の生産は前期比0.6%と3四半期ぶりの増加となったが、4-6月期(前期比▲1.4%)、7-9月期(同▲1.2%)の落ち込みを考えれば持ち直しのペースは極めて鈍い。業種別には、新興国経済減速の影響などからはん用・生産用・業務用機械が前期比▲1.6%と3四半期連続の減産となったが、在庫調整が一定程度進捗したことを反映し、鉄鋼が前期比0.7%と8四半期ぶりの増産、輸送機械が前期比3.5%と3四半期ぶりの増加となった。
12月の生産を業種別に見ると、訪日外国人向けの需要拡大を追い風に底堅い動きが続いている化学(除く医薬品)は前月比0.3%の増加となったが、はん用・生産用・業務用機械(前月比▲2.9%)、電子部品・デバイス(前月比▲3.5%)など主要業種が軒並み大きく落ち込んだ。速報段階で公表される15業種中11業種が前月比で低下、4業種が上昇した。
15年10-12月期の生産は前期比0.6%と3四半期ぶりの増加となったが、4-6月期(前期比▲1.4%)、7-9月期(同▲1.2%)の落ち込みを考えれば持ち直しのペースは極めて鈍い。業種別には、新興国経済減速の影響などからはん用・生産用・業務用機械が前期比▲1.6%と3四半期連続の減産となったが、在庫調整が一定程度進捗したことを反映し、鉄鋼が前期比0.7%と8四半期ぶりの増産、輸送機械が前期比3.5%と3四半期ぶりの増加となった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は15年7-9月期の前期比▲1.9%の後、10-12月期は同▲0.9%と3四半期連続の減少となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷は15年7-9月期の前期比▲0.2%の後、10-12月期は同▲2.4%と2四半期連続の減少となった。
GDP統計の設備投資は15年4-6月期の前期比▲1.3%の後、7-9月期は同0.6%と2四半期ぶりに増加したが、鉱工業指数の設備投資関連指標は10-12月期の設備投資が減少に転じる可能性が高いことを示している(10-12月期の設備投資の予測値は本日発行予定のweeklyエコノミストレターに掲載予定)。
GDP統計の設備投資は15年4-6月期の前期比▲1.3%の後、7-9月期は同0.6%と2四半期ぶりに増加したが、鉱工業指数の設備投資関連指標は10-12月期の設備投資が減少に転じる可能性が高いことを示している(10-12月期の設備投資の予測値は本日発行予定のweeklyエコノミストレターに掲載予定)。
消費財出荷指数は15年7-9月期の前期比0.8%の後、10-12月期は同0.9%と2四半期連続で増加した。非耐久消費財は低調だった(7-9月期:前期比▲0.3%→10-12月期:同▲0.3%)が、耐久消費財が2四半期続けて高めの伸びとなった(7-9月期:前期比1.9%→10-12月期:同2.2%)。
10-12月期の消費関連統計を振り返ってみると、消費財出荷指数は高めの伸びとなったものの、「商業動態統計」の小売業販売額指数は前期比0.0%の横ばいにとどまり、「家計調査」の消費水準指数(除く住居)は前期比▲2.8%と大きく落ち込んだ。10-12月期のGDP統計の個人消費は2四半期ぶりの減少となることが予想される。
10-12月期の消費関連統計を振り返ってみると、消費財出荷指数は高めの伸びとなったものの、「商業動態統計」の小売業販売額指数は前期比0.0%の横ばいにとどまり、「家計調査」の消費水準指数(除く住居)は前期比▲2.8%と大きく落ち込んだ。10-12月期のGDP統計の個人消費は2四半期ぶりの減少となることが予想される。
2.在庫調整が進まず
製造工業生産予測指数は、16年1月が前月比7.6%、2月が同▲4.1%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(12月)、予測修正率(1月)はそれぞれ▲2.4%、▲0.9%となり、生産計画が下方修正される傾向が続いている。
15年12月の生産指数を16年1、2月の予測指数で先延ばしすると(3月は横ばいと仮定)、16年1-3月期は前期比3.4%の高い伸びとなるが、これはあまり当てにならないだろう。生産計画の下方修正が続いていることに加え、1月、2月の生産指数の前月比は必ずしも生産の基調を反映していない可能性があるためである。
生産指数は2年続けて1月が高い伸びとなる一方、2月が大きく落ち込むというパターンとなっている(14年は1月が前月比3.2%、2月が同▲2.1%、15年は1月が前月比4.1%、2月が同▲3.1%)。1月、2月は営業日数が少ないこともあって季節性を取り除くことが難しい面がある。仮に、実際の生産指数が1月に高い伸びとなっても、楽観は禁物だろう。
15年12月の生産指数を16年1、2月の予測指数で先延ばしすると(3月は横ばいと仮定)、16年1-3月期は前期比3.4%の高い伸びとなるが、これはあまり当てにならないだろう。生産計画の下方修正が続いていることに加え、1月、2月の生産指数の前月比は必ずしも生産の基調を反映していない可能性があるためである。
生産指数は2年続けて1月が高い伸びとなる一方、2月が大きく落ち込むというパターンとなっている(14年は1月が前月比3.2%、2月が同▲2.1%、15年は1月が前月比4.1%、2月が同▲3.1%)。1月、2月は営業日数が少ないこともあって季節性を取り除くことが難しい面がある。仮に、実際の生産指数が1月に高い伸びとなっても、楽観は禁物だろう。
(2016年01月29日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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