- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 企業物価指数(2015年10月)~最終財は振れを伴いつつも緩やかな上昇へ
■見出し
・夏季電力料金の終了による影響を除いても前月マイナス
・輸入物価は大幅な下落が続く
・最終財は振れを伴いつつ緩やかな上昇へ
・国内企業物価は緩やかながら下落を縮小
■要旨
11月12日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2015年10月の国内企業物価は前年比▲3.8%(9月:同▲4.0%)と事前の市場予想(QUICK集計:前年比▲3.5%)を下回る結果となった。前月比では▲0.6%(9月:同▲0.6%)と5ヵ月連続で下落した。夏季電力料金終了による影響を除いても、前月比▲0.3%(9月:同▲0.7%)となっており、企業物価は依然下落基調が続いている。
10月の輸入物価(円ベース)は前年比▲15.6%(9月:同▲15.5%)と前月から下落幅は変わらず。前月比(円ベース)では▲1.2%(9月:同▲4.5%)と4ヵ月連続で減少した。
10月の需要段階別指数(国内品+輸入品)をみると、素原材料が前年比▲30.6%(9月:同▲31.3%)、中間材が前年比▲5.7%(9月:同▲5.7%)、最終財が前年比0.1%(9月:同▲0.1%)となった。原油価格の下落を背景に素原材料、中間財がマイナス圏で推移しているなか、最終財は一進一退の動きが続いている。最終財は価格転嫁の動きが強まったこともあり、2015年2月以降前年比でプラスが続いた後、原油をはじめとした国際商品市況下落の影響から8、9月と小幅ながらマイナスに転じていたが、プラス圏に再浮上した。15年度末にかけて、前年比でみた原油価格の下落幅は緩やかに縮小することが見込まれ、最終財は明確な上昇基調に転じることが予想される。最終財のうち、消費財が緩やかな上昇を伴えば、原油価格の下落を主因に前年比マイナスとなっている消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は遅行する形で再びプラスに転じるだろう。
今後、円安に伴うコスト増を価格転嫁する動きが続くことや原油価格が持ち直すことを前提として、国内企業物価は15年度末にかけて緩やかながら下落幅を縮小することが予想される。
(2015年11月12日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
岡 圭佑
研究・専門分野
岡 圭佑のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2017/05/10 | 企業の賃上げ意欲を削ぐ社会保障負担 | 岡 圭佑 | 基礎研マンスリー |
2017/03/24 | 企業の賃上げ意欲を削ぐ社会保障負担 | 岡 圭佑 | 基礎研レター |
2017/02/10 | 企業物価指数(2017年1月)~2015年3月以来の上昇、物価は上昇基調へ | 岡 圭佑 | 経済・金融フラッシュ |
2017/02/09 | 景気ウォッチャー調査(17年1月)~回復基調に一服感、トランプ新政権に対する不透明感が重石 | 岡 圭佑 | 経済・金融フラッシュ |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年09月19日
米住宅着工・許可件数(24年8月)-着工件数は前月、市場予想を上回る。住宅ローン金利の低下が住宅需要に追い風 -
2024年09月18日
日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは1ポイント低下の12と予想、価格転嫁の勢いに注目 -
2024年09月18日
欧州経済見通し-景況感の回復に乏しく、成長は緩慢 -
2024年09月18日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その8)-リサージュ曲線・バラ曲線- -
2024年09月18日
貿易統計24年8月-円高、原油安で先行きの貿易赤字は縮小へ
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【企業物価指数(2015年10月)~最終財は振れを伴いつつも緩やかな上昇へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
企業物価指数(2015年10月)~最終財は振れを伴いつつも緩やかな上昇へのレポート Topへ