2017年03月24日

企業の賃上げ意欲を削ぐ社会保障負担

岡 圭佑

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■要旨
 
  • 企業収益が過去最高水準に達しているにもかかわらず、賃金の上昇ペースは依然として遅い。企業が人件費抑制姿勢を緩めていない要因の一つに、社会保障負担増の影響があることは見逃せない。
     
  • 社会保障負担の増加は人件費負担を増大させており、企業は賃金の抑制、雇用の非正規化といった形で人件費の圧縮を余儀なくされている。
     
  • 個人消費が力強さを欠く中で賃上げの重要性が高まっているが、社会保障負担が増加すれば賃上げの動きを停滞させかねない。
     
  • 政府は企業に対して前向きな賃上げを促すためにも社会保障制度改革を実施し、継続的な賃上げの基盤作りを急ぐべきである。

■目次

1――企業の人件費抑制姿勢は緩まず
2――企業の社会保障負担増による影響
3――雇用正規化の障害となる社会保障負担
4――人件費負担増で賃上げがますます困難に
付注 総人件費の試算

(2017年03月24日「基礎研レター」)

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