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認知症介護の実態(3)-家族介護者の介護(関連)費用の負担状況
生活研究部 井上 智紀
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本稿では、引き続き家族介護者の経済的な負担の面に焦点をあてた結果を示す。
1 調査概要は以下の通り。
調査対象:認知症(診断確定の段階を含む)の主たる家族介護者または家族介護者の配偶者である40~70代の男女個人
調査手法:インターネット調査
調査時期:2019年7月19日~23日
有効回収サンプル数:2,000s
介護費用の負担者
要介護者の介護費用
2 「一時費用」は住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的にかかった費用の合計、「月々の介護費用」は公的介護保険の自己負担分やその他の介護サービス費用など月々支払っている介護費用を指す。
家族介護者が負担している費用
一方、これらの介護費用以外にも家族介護者は交通費や通信費、ごみの処理費用など様々な費用負担が求められる。家族介護者および配偶者が負担した一時的にかかった介護費用や月々の介護費用以外の負担額についてみると、全体では11,900円となっている(図表 4)。要介護者の居場所別にみると、有料老人ホームなどで22,600円と高く、次いでその方のご自宅(18,100円)、病院・診療所入院中(15,000円)の順となっている。認知症の日常生活自立度別にみると、II-aで36,800円と高く、IV(18,900円)II-b(10,700円)の順で続く。ただし負担の程度別では「あなたが全額または大半を負担」では17,700円、「あなたが一部を負担(折半を含む)」では10,400円となっている。ただし負担額のバラツキの程度を表す標準偏差は、全体では62,600円、「あなたが全額または大半を負担」が81,000円、「あなたが一部を負担(折半を含む)」は54,600円となっていることから、負担額は回答者による個人差が大きい。
介護資金の出所
次回は引き続き同じ調査の結果を用いて、家族介護者が必要とする情報ニーズについて概観した結果を示す。
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(2020年03月19日「研究員の眼」)
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