- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 米労働市場の減速は続くか-中小企業を中心に労働需要が低下するほか、移民増加が賃金上昇圧力を緩和する可能性
2024年05月10日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 24年4月の雇用統計は非農業部門雇用者数(前月比)が大幅に低下したことに加え、失業率の上昇、賃金上昇率の低下など全般的に労働市場が顕著に減速している可能性を示唆した。
- 失業保険新規申請件数が足元で大幅な増加を示すなど失業者数が増加する兆候がみられるほか、求人数の緩やかな低下基調が持続する中、中小企業を中心に労働需要が低下している可能性が示唆されている。
- 一方、労働供給はプライムエイジ(25歳~54歳)の労働参加率が02年以来の水準に上昇するなど回復がみられる。労働供給の回復は近年増加する移民労働者の影響が大きく、議会予算局(CBO)は労働力人口の見通しを大幅に上方修正するなど、今後も回復傾向が続くことが予想される。
- 労働需給の緩和を背景に賃金上昇圧力は緩やかな低下基調が持続しているが、今後の低下スピードは労働需給の緩和動向によるとみられる。
- FRBによる大幅な金融引締めの累積的な影響から今後も労働需要の低下が続くと見込まれる一方、移民増加などから労働供給の回復が見込まれるものの、トランプ前大統領が再選される場合には移民減少から労働供給の回復が遅れ、賃金が高止まりする可能性。
■目次
1.はじめに
2.米労働市場の減速は続くのか
(雇用統計)4月は全般的に労働市場の減速を示す結果
(労働需要(1))人員削減数は年初増加、失業保険新規申請数も足元で大幅増加
(労働需要(2))中小企業を中心に労働需要が低下している可能性
(労働供給)プライムエイジ労働参加率は02年以来の水準に上昇、今後も移民増加が寄与へ
(賃金)労働需給の緩和を反映して賃金上昇率の低下基調が持続。
3.今後の見通し
1.はじめに
2.米労働市場の減速は続くのか
(雇用統計)4月は全般的に労働市場の減速を示す結果
(労働需要(1))人員削減数は年初増加、失業保険新規申請数も足元で大幅増加
(労働需要(2))中小企業を中心に労働需要が低下している可能性
(労働供給)プライムエイジ労働参加率は02年以来の水準に上昇、今後も移民増加が寄与へ
(賃金)労働需給の緩和を反映して賃金上昇率の低下基調が持続。
3.今後の見通し
(2024年05月10日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1824
経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/04 | 米雇用統計(25年7月)-非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったほか、過去2ヵ月分が大幅に下方修正 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/01 | 低迷が続く米住宅市場-住宅ローン金利の高止まりから、当面住宅市場の本格回復は見込み難い | 窪谷 浩 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/08/01 | 米個人所得・消費支出(25年6月)-PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに前月から上昇、市場予想に一致 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/07/31 | 米FOMC(25年7月)-市場予想通り、5会合連続で政策金利を据え置き。理事2名が利下げを主張し反対票 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月15日
マレーシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+4.4%~堅調な内需に支えられて横ばいの成長に -
2025年08月15日
グローバル株式市場動向(2025年7月)-米国と日欧の関税大枠合意により安心感が広がる -
2025年08月15日
生成AIを金融リスク分析の視点から読み解いてみる-なぜ人間によるファクトチェックが必要なのか -
2025年08月15日
QE速報:2025年4-6月期の実質GDPは前期比0.3%(年率1.0%)-トランプ関税下でも輸出が増加し、プラス成長を確保 -
2025年08月15日
地方で暮らすということ-都市と地方の消費構造の違い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【米労働市場の減速は続くか-中小企業を中心に労働需要が低下するほか、移民増加が賃金上昇圧力を緩和する可能性】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米労働市場の減速は続くか-中小企業を中心に労働需要が低下するほか、移民増加が賃金上昇圧力を緩和する可能性のレポート Topへ