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世界人口の動向と生命保険マーケット-生保マーケットにおける「中国の米国超え」は実現するのか
基礎研REPORT(冊子版)5月号[vol.338]

保険研究部 上席研究員 兼 気候変動リサーチセンター 気候変動調査部長 有村 寛
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1―世界の人口動向
2―世界の生保マーケットはどうなっていくのか
前提の置き方によって予測値も変わってくるため、[図表3]で示した数値は、あくまでも一つの試算例であり、目安に過ぎないが、当試算結果からは、中国生保マーケットの米国超えの実現は、予断を許さない状況にあるとも考えられる。
なお、今回の試算では示せなかったが、インドは、ピークを迎えた後の人口減少も緩やかで、2100年時点の人口も、2位以下を大きく引き離している。生保収入保険料においても、2034年以降、遠からず米国、中国に迫ってくるのみならず、中長期的には、一位になることも十分考えられる。また、アフリカ諸国も人口の急増とともに生保マーケットも急成長を遂げるであろう。
人口動向は、生保マーケットに与える影響も大きく、マーケット予測等における主要な項目の一つと考えられることから、今後も引き続き、注視したい。
*1 アリアンツでは、「Allianz Global Insurance Report 2022」において、コロナ前は、保険マーケットにおいて中国が米国を超えるのは、2030年頃だとの予測する機関が多かったが、コロナ禍を経て、それは2050年頃になるのではないか、としている。
*2 試算にあたり、以下の前提を用いた。
(1) 2023年から2034年における米国、中国それぞれの「人口1人あたり保険料」ならびに平均増加率を算出。
(2) (1)で求めた「人口1人あたり保険料」の平均増加率について、米国は「2035年以降も同じ増加率が継続」と仮定。中国は、「中国の名目GDPは、2033年に米国の水準を一旦上回ることが予測され、2050年には再び米国が中
国を上回ることが見込まれている」(通商白書2022、P206)を参考に、「2050年までの16年のうち、前半8年はそれまでと同じ増加率が継続、以降(2050年以降も同様)は米国と同じ増加率で推移する」と仮定。
(3) (1)、(2)で求めた、米国、中国の「人口1人あたり保険料の将来値」と「2019年人口推計」、「2024年人口推計」に基づき、各年の生保収入保険料を算出。
(2025年05月09日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1822
- 【職歴】
1989年 日本生命入社
1990年 ニッセイ基礎研究所 総合研究部
1995年以降、日本生命にて商品開発部、法人営業企画部(商品開発担当)、米国日本生命(出向)、企業保険数理室、ジャパン・アフィニティ・マーケティング(出向)、企業年金G等を経て、2021年 ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月より現職
有村 寛のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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