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年末ジャンボ 今年はどう狙う?-3つの高額当せんを踏まえて、くじの買い方を考えてみよう

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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◇ 高額当せんを細分化して考えてみる ― 超高額当せんの金額は労働者の生涯賃金をはるかに上回る
ここで、高額当せんというものを、やや細分化して考えてみよう。
(1) 1等前後賞合わせて10億円の「超高額当せん」、(2) 1等前後賞合わせて5000万円の「大変な高額当せん」、(3) 1000万円や100万円の「高額当せん」、の3つだ。そうすると、年末ジャンボは(1)と(3)、年末ジャンボミニは(2)を、主に狙うくじと位置づけることができる。そして、どちらの宝くじも、当せん金1万円以上の賞も十分に狙える。
このうち、(3)は、年収との関係で当せんした場合のうれしさが、なんとなく想像できる。一方、(1)と(2)は、どちらも日ごろはまず目にしないような高額であるため、イメージしにくいかもしれない。
そこで、労働者1人が生涯でいくら賃金を得るかを考えてみる。もちろん、ひと口に労働者と言ってもいろいろな人がいて、生涯賃金には幅があるだろう。ここでは、平均的な金額を見てみる。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の『ユースフル労働統計 2023』によると、日本では労働者の生涯賃金は、大学卒の男性は約3億2020万円、女性は約2億5370万円。また、高校卒の男性は約2億6020万円、女性は約1億8910万円 (いずれも2022年) とされている。これらは、学校を卒業してただちに就職し、60 歳で退職するまでフルタイムの正社員を続けて退職金を得て、その後は平均引退年齢までフルタイムの非正社員を続ける、という場合の金額だ。まさに、生涯働きづめに働いた場合のものだが、それでも生涯賃金は平均的には4億円に届かない。
こう見ていくと、(1)の超高額当せんは、労働者の生涯賃金をはるかに上回るもので、通常はまず受け取ることができないほどの高額と言える。一方、(2)の大変高額な当せんは、労働者の生涯賃金内の金額と位置づけることができる。
例えば、家を建てたり、マンションを買ったりする場合を考えると、物件にもよるが、(2)の金額がそれに近いということになるだろう。(ただし、大都市の物件は、1億円を超えるものも多いが…。)
◇ 年末ジャンボ 今年はどう狙う?
「年末ジャンボを連番でたった3枚だけ買って、ただひたすらに10億円のてっぺんを目指す」という究極の頂点狙いの買い方は、シンプルで潔く、カッコイイ買い方といえるだろう。
「当せん確率が高められている1等を狙って、年末ジャンボミニを○○枚買おう」という買い方は、今回のジャンボミニの特色を熟知した、クレバーな買い方といえるかもしれない。
「今年は、年末ジャンボを◇◇枚、年末ジャンボミニを△△枚買い揃えて、いろいろな高額当せんを狙ってみよう」という買い方は、2つの宝くじからポートフォリオを組成して、その価値を存分に味わう買い方といえるだろう。
くじの買い方は人それぞれだ。これが正解といえるものはない。ただ、このようにいろいろ考えてくじを買うところから、すでに宝くじの楽しさは始まっているといえる。
今年の宝くじの発売期間は12月21日(土)までで、検討のための時間はたっぷりある。
くじを買ったあとは、抽せん日(大晦日)まで、「もし10億円が当たったら…」、「□□万円の当せん金を手に入れたら…」などと夢想して、ドキドキ感やワクワク感を存分に味わう。
そうすることで、慌ただしい年の瀬を楽しく過ごすことができれば、すでに宝くじの効用を十分に引き出すことができたといえるだろう。
(本稿をまとめるにあたり、参照したWebサイト)
「宝くじ公式サイト」(全国都道府県及び全指定都市)
https://www.takarakuji-official.jp/
『ユースフル労働統計 2023 ― 労働統計加工指標集―』(独立行政法人労働政策研究・研修機構)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2023/index.html
(2024年11月19日「研究員の眼」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
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