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- 宿泊旅行統計調査2024年7月~中国人延べ宿泊者数はコロナ禍前と同程度の水準まで回復~
2024年09月02日
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1.延べ宿泊者数は7ヵ月ぶりに2019年比二桁の高い伸び
観光庁が8月30日に発表した宿泊旅行統計調査によると、2024年7月の延べ宿泊者数は5,915万人泊(6月:5,036万人泊)となった。前年同月比は8.6%(6月:同6.3%)と2ヵ月連続で伸びを高め、2019年比は14.2%(6月:同9.9%)と7ヵ月ぶりに2019年比二桁の高い伸びとなった。
2024年7月の日本人延べ宿泊者数は4,421万人泊(6月:3,689万人泊)となり、2019年同月比は7.9%(6月:同1.9%)と2ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った。前年比も1.9%(6月:▲2.4%)と3ヵ月ぶりのプラスと、物価高の悪影響を受けながらも、所得・住民税減税の効果もあり回復した。2024年7月の外国人延べ宿泊者数は1,494万人泊(6月:1,347万人泊)、2019年同月比は38.3%(6月:同40.5%)となった。外国人延べ宿泊者数は好調を続けており、延べ宿泊者数全体を押し上げている。
2024年7月の日本人延べ宿泊者数は4,421万人泊(6月:3,689万人泊)となり、2019年同月比は7.9%(6月:同1.9%)と2ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った。前年比も1.9%(6月:▲2.4%)と3ヵ月ぶりのプラスと、物価高の悪影響を受けながらも、所得・住民税減税の効果もあり回復した。2024年7月の外国人延べ宿泊者数は1,494万人泊(6月:1,347万人泊)、2019年同月比は38.3%(6月:同40.5%)となった。外国人延べ宿泊者数は好調を続けており、延べ宿泊者数全体を押し上げている。

2.日本人宿泊者数は横ばい圏内で推移を続ける見込み
7月の日本人延べ宿泊者数は、所得・住民税減税の効果もあり前年比、2019年比ともにプラスとなったが、減税の効果は一時的なものにとどまることが予想されることから、継続的な増加は見込めない。物価高の悪影響を受けて日本人の旅行需要は、横ばい圏内で推移を続ける公算が大きい。
3.中国人宿泊者数がコロナ禍前と同程度の水準まで回復

中国国内の消費は弱い動きになっていることから、中国人延べ宿泊者数が停滞するリスクはあるが、コロナ禍前に比べて為替レートが円安の水準にあることが追い風となって、外国人延べ宿泊者数は増加を続けることが予想される。日本人の旅行需要は横ばい圏内での推移が見込まれるため、今後の日本全体の旅行需要を左右するのはインバウンド需要となるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年09月02日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2021年4月 日本生命保険相互会社入社
2021年11月 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
安田 拓斗のレポート
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