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- 宿泊旅行統計調査2024年6月~国内旅行は弱い動きだが、インバウンド需要は好調~
2024年08月01日
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1.延べ宿泊者数は2019年比二桁の高い伸び
観光庁が7月31日に発表した宿泊旅行統計調査によると、2024年6月の延べ宿泊者数は5,039万人泊(5月:5,390万人泊)、前年同月比6.3%(5月:同5.0%)、2019年比10.0%(5月:同4.9%)となった。6ヵ月ぶりに2019年比二桁の高い伸びとなった。
2024年6月の日本人延べ宿泊者数は3,720万人泊(5月:4,034万人泊)となり、2019年同月比は2.3%(5月:同▲3.2%)と3ヵ月ぶりにコロナ禍前の水準を上回ったが、前年比は▲1.6%(5月:▲4.7%)と2ヵ月連続のマイナスとなった。日本人延べ宿泊者数は物価高の悪影響を受けて停滞している。2024年6月の外国人延べ宿泊者数は1,319万人泊(5月:1,356万人泊)、2019年同月比は37.6%(5月:同39.4%)となった。日本人延べ宿泊者数が停滞する一方、外国人延べ宿泊者数が2019年比二桁の高い伸びを続けていることで、延べ宿泊者数は高水準で推移している。
2024年6月の日本人延べ宿泊者数は3,720万人泊(5月:4,034万人泊)となり、2019年同月比は2.3%(5月:同▲3.2%)と3ヵ月ぶりにコロナ禍前の水準を上回ったが、前年比は▲1.6%(5月:▲4.7%)と2ヵ月連続のマイナスとなった。日本人延べ宿泊者数は物価高の悪影響を受けて停滞している。2024年6月の外国人延べ宿泊者数は1,319万人泊(5月:1,356万人泊)、2019年同月比は37.6%(5月:同39.4%)となった。日本人延べ宿泊者数が停滞する一方、外国人延べ宿泊者数が2019年比二桁の高い伸びを続けていることで、延べ宿泊者数は高水準で推移している。
2024年6月の客室稼働率は全体で58.2%(5月:同59.4%)、2019年同月差▲2.4%(5月:同▲3.8%)と、コロナ禍前の水準を下回っているが、前年同月差は2.9%(5月:同3.3%)とプラスで推移している。宿泊施設タイプ別客室稼働率をみると、旅館は33.1%、2019年同月差▲3.6%(5月:同▲5.9%)、リゾートホテルは52.6%、2019年同月差▲2.8%(5月:同▲7.5%)、ビジネスホテルは71.9%、2019年同月差▲2.4%(5月:同▲3.1%)、シティホテルは72.3%、2019年同月差▲7.6%(5月:同▲8.1%)、簡易宿所は24.5%、2019年同月差▲4.7%(5月:同▲4.1%)であった。2019年同月差は全てのタイプの宿泊施設でマイナス圏での推移が続いている。一方、前年同月差をみると、旅館が▲0.8%とマイナスになっているが、リゾートホテルは同3.5%、ビジネスホテルは同3.8%、シティホテルは同4.5%、簡易宿所は同1.8%といずれもプラスで推移している。
2.日本人の旅行需要は停滞を見込む
都道府県別の延べ宿泊者数の実績は速報より1ヵ月遅れて公表される。能登半島地震の震源地である石川県では、5月の延べ宿泊者数が2019年比19.4%1(前年比39.5%)と増加し、客室稼働率も2019年差3.1%とプラスで推移している。ただし宿泊者の中に震災の二次避難者2が含まれている可能性がある。なお、被害が大きかった富山県、福井県、新潟県、石川県を対象として北陸応援割3が実施され、新潟県は7/18まで、石川県は7/31まで継続される予定である。しかし、石川県を除いた3県では延べ宿泊者数は2019年を下回って推移しており、北陸応援割による旅行需要喚起が日本全体を押し上げている様子は見ることができない。物価高による実質所得の低下やホテル代の高騰などによって日本人の旅行需要は停滞しており、先行きも横ばい圏内で推移する公算が大きい。
1 2024年1-5月調査においては、令和6年能登半島地震の影響により、石川県七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水及び能登町を調査対象から除いているが、影響は軽微と考えられる
2 石川県によると7月30日14時時点で、二次避難者数は705人(累計11,700人)となっている。二次避難者は金沢市以南・県外のホテルや旅館に移送された。
3 旅行代金の最大50%が割引。上限額は宿泊数や宿泊県数によって上限金額が変わる
3.中国人宿泊者数が急回復
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年08月01日「経済・金融フラッシュ」)
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