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2024年07月10日

企業物価指数2024年6月~電気・都市ガス価格への支援縮小と輸入物価上昇で国内企業物価の上昇ペースは加速~

経済研究部 研究員 安田 拓斗

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1.電力・都市ガス・水道の上昇で国内企業物価は上昇ペース加速

企業物価指数の推移 日本銀行が7月10日に発表した企業物価指数によると、2024年6月の国内企業物価は、前年比2.9%と前月(同2.6%)から5ヵ月連続で伸びを高めた。

内訳をみると23類別中、20類別が上昇、1類別が横ばい、2類別が低下となった。電力・都市ガス・水道は、電気・都市ガス価格激変緩和策の割引額が半減されたことで、前年比0.1%(5月:同▲7.2%)と12ヵ月ぶりにプラスに転じた。加えて、輸入物価の上昇も、国内企業物価を押し上げている。
5月の国内企業物価の前月比は0.2%(5月:同0.7%)と5ヵ月連続で上昇した。内訳をみると23類別中、14類別が上昇、3類別が横ばい、6類別が低下となった。寄与度をみると、電気・都市ガス価格激変緩和策の割引額が半減したことで事業用電力、都市ガスが上昇し、電力・都市ガス・水道が前月比0.09%で全体を押し上げたほか、軽油、B重油・C重油、ガソリンが上昇したことで、石油・石炭製品が同0.06%となった。
国内企業物価指数の推移/国内企業物価指数の前月比寄与度分解

2.契約通貨ベースの輸入物価(前年比)は15ヵ月ぶりに上昇

輸入物価指数変化率の要因分解(契約通貨ベース) 6月の輸入物価は、契約通貨ベースでは前月比▲0.3%(5月:同0.8%)と3ヵ月ぶりに低下した。内訳をみると、10類別中、7類別で上昇、1類別で横ばい、2類別で低下となった。寄与度をみると、原油、ナフサ、ジェット燃料油の低下で石油・石炭・天然ガスが前月比▲0.54%と全体を押し下げた。

契約通貨ベースでは前年比0.3%(5月:同▲2.9%)と15ヵ月ぶりのプラスとなった。石油・石炭・天然ガスが前年比▲1.0%と前月(同▲8.8%)からマイナス幅が大きく縮小したほか、金属・同製品が同7.2%と前月(同2.0%)から伸びを高めたことがプラス転化の主因である。

円相場(対ドル)は前月比1.0%と6ヵ月連続のプラスとなり、輸入物価は円ベースで前月比0.5%(5月:同2.3%)と3ヵ月連続のプラスとなった。円ベースの前年比は9.5%(5月:同7.1%)と5ヵ月連続でプラスとなった。円安の進展によって上昇率を高めている。

3.先行きは、上昇ペース加速で前年比3%台へ

国内企業物価指数の前年比寄与度分解 6月の国内企業物価は、輸入物価の上昇に加え、政府の電気・都市ガス激変緩和策の割引額が半減されたことを受けて上昇が加速した。同政策は、5月使用分(6月請求分)で割引額が減額された後、6月使用分以降は措置が終了する予定となっているため、それが反映される7月の国内企業物価は前年比3%台となる公算が大きい。

ただし、「酷暑乗り切り緊急支援」と題する電気・都市ガス価格の割引が8月使用分から10月使用分まで実施されるため、それが反映される9月の国内企業物価は再び前年比2%台後半まで伸びが鈍化するだろう。11月には酷暑乗り切り緊急支援の割引額が減少し12月以降は支援が終了するため、国内企業物価は再び3%台となることが予想される。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2024年07月10日「経済・金融フラッシュ」)

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経済研究部   研究員

安田 拓斗 (やすだ たくと)

研究・専門分野
日本経済

経歴
  • 【職歴】
     2021年4月  日本生命保険相互会社入社
     2021年11月 ニッセイ基礎研究所へ

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