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宿泊旅行統計調査2024年5月~インバウンドは好調を維持する一方、日本人延べ宿泊者数は弱い動き~

経済研究部 安田 拓斗
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1.延べ宿泊者数は3ヵ月連続で伸び鈍化
2024年5月の日本人延べ宿泊者数は3,946万人泊(4月:3,739万人泊)、前年同月比は▲6.8%(4月:0.3%)と2ヵ月ぶりにマイナスとなった。2019年同月比は▲5.3%(4月:同▲5.2%)と2ヵ月連続でコロナ禍前の水準を下回った。日本人延べ宿泊者数は物価高の悪影響を受けて停滞している。2024年5月の外国人延べ宿泊者数は1,230万人泊(4月:1,450万人泊)、2019年同月比は26.5%(4月:同28.5%)となった。
日本人延べ宿泊者数が停滞する一方、外国人延べ宿泊者数が2019年比二桁の高い伸びを続けていることで、延べ宿泊者数はコロナ禍前の水準を上回っている。

2.日本人の宿泊旅行は弱い動き

なお、被害が大きかった富山県、福井県、新潟県、石川県を対象として北陸応援割3が実施されたが、富山県と福井県では4/26をもって終了している。新潟県、石川県では第二弾としてゴールデンウイーク以降も実施されており、新潟県は7/18まで、石川県は7/31まで継続される予定である。
北陸応援割によって被災地への旅行需要が喚起されたが、日本全体を押し上げている様子は見ることができない。物価高による実質所得の低下やホテル代の高騰などによって日本人の旅行需要は停滞しており、先行きも横ばい圏内で推移する公算が大きい。
1 2024年1-5月調査においては、令和6年能登半島地震の影響により、石川県七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水及び能登町を調査対象から除いているが、影響は軽微と考えられる
2 石川県によると6月27日15時時点で、二次避難者数は1,222人(累計11,623人)となっている
3 旅行代金の最大50%が割引。上限額は宿泊数や宿泊県数によって上限金額が変わる
3.引き続き日本の旅行需要を牽引するのはインバウンド

中国人延べ宿泊者数は緩やかに回復していたが、回復に足踏みがみられる。中国人延べ宿泊者数が停滞するリスクはあるが、コロナ禍前に比べて為替レートが円安の水準にあることが追い風となって、外国人延べ宿泊者数は増加を続けることが予想される。日本人延べ宿泊者数が弱い動きとなっており、日本全体の旅行需要をインバウンドが牽引していくことが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年07月01日「経済・金融フラッシュ」)
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