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区間が重なる確率の問題-ある区間が他のすべての区間と重なっている確率は?
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
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今回は、確率に関するパズルで、愛好家(?) の間ではかなり有名なものを見ていきたい。読者には、答えの“意外感”を味わっていただければ幸いである。
◇ ある区間が他のすべての区間と重なる部分を持つ確率は?
(区間が重なる確率の問題)
nを2以上の整数とします。数直線上で、1から2nまでの2n個の整数の点を考えます。これらのなかからランダムに2つずつ点を取り出して、その2点を端点とする区間を書いていきます。(区間の数は全部でn個になり、数直線上にn個の区間がランダムに設定されたことになります。)
このとき、ある区間が他のすべての区間と重なっている確率は、どれくらいでしょうか?
この例では、青色の区間[2,10]が、他の全ての区間と重なっている。つまり、問題の「ある区間が他のすべての区間と重なっている」状態になっている。
それでは、このように区間をランダムに書いていったときに、「ある区間が他のすべての区間と重なっている」状態になる確率は、どれくらいだろうか? ― それが、この問題の題意だ。
◇ ある区間が他のすべての区間と重なっている確率を予想してみる
上の例では、左端のほうの赤色の区間[1,3]が、たまたま青色の区間[2,10]と重なっていたからよかったが、例えば、赤色の区間が[1,3]ではなく、[1,2]だったとしたら、この区間が他の区間と重なることはない。つまり、「ある区間が他のすべての区間と重なっている」状態にはならない。
同じことが、右端のほうの9や10の点にも言える。
さらに、nがもっと大きくなって、例えば、n=10、n=100、…、n=100000000(1億)などとなったら、「ある区間が他のすべての区間と重なっている」状態など、めったに起こらないような気がしてくるだろう。(読者を、やや誘導している感はあるが..。)
そう考えると、ある区間が他のすべての区間と重なっている確率は、n=5の場合1/2より小さく、nが大きくなるとどんどん小さくなっていく、というのが自然な感覚ではないだろうか。
◇ 実際に図示して確かめてみる
実は、nがどれほど大きくなろうとも、ある区間が他のすべての区間と重なっている状態になる確率は、2/3となる。2/3という水準が1/2を超えていてかなり大きいことと、それがnによらないことの2点に対して、読者は意外な感じを持たれたかもしれない。
◇ まともに数え上げていくやり方は、数が大きすぎて通用しない
まず、そもそもn個の区間が作り出す状態の数はどれだけあるのか、計算してみよう。n=2のとき、状態の数は3。n=3のとき、ある1点から1つ目の区間を作る方法が5つあり、それに応じて残りの点から2つ目と3つ目の区間を作る方法がn=2の場合と同じで3ずつあるから、掛け算して、状態の数は15。先ほど図示したのは、これら15個の状態だ。
さらに、n=4のときは、15に7を掛け算して状態の数は105。n=5のときは、105に9を掛け算して状態の数は945。という感じで、nが大きくなるにつれて、状態の数は飛躍的に増えていく。nが大きくなると、図示するのにも限界が生じてくるわけだ。
一般のnの場合、(2n-1)×(2n-3)×…×5×3 = (2n)!/(2 n×n!) 個の状態がある。階乗の記号“!”が出てきており、とてつもない大きさの数になることがうかがえる。
膨大な数のこれらの状態をすべて図示したうえで、そのうち、「ある区間が他のすべての区間と重なっている」状態がどれだけあるかを数える、というやりかたは、もはや通用しない。
(2024年07月23日「研究員の眼」)
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
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