- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- 英国雇用関連統計(24年6月)-失業率は4.4%で横ばい推移
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.結果の概要:失業率は4.4%で横ばい
【6月】
・失業保険申請件数2は前月(163.02万件)から3.23万件増の166.25万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.4%となり、前月(同4.3%)から上昇した。
・給与所得者数3は前月(3040.9万人)から1.6万人増の3042.4万人となった。増減数は前月(5.4万人)から縮小し、市場予想4(▲0.5万人)を上回った。
【5月(24年3-5月の3か月平均)】
・失業率は4.4%で前月(4.4%)から横ばい、市場予想(4.4%)と一致した(図表1)。
・就業者は3299.9万人で3か月前の3298.0万人から1.9万人増加した。増減数は市場予想(2.0万人)を下回ったが、前月(▲13.9万人)からプラスに転じた。
・週平均賃金は前年比5.7%で前月(5.9%)から低下、市場予想(5.7%)と一致した(図表2)。
1 労働力調査ベースの統計については、回答率の低下を受け、ONSでは開発中の公式統計という位置付けで公表されている。
2 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは開発中の公式統計という位置付けで公表している。
3 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは約85%のデータから推計。
4 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:賃金上昇率は依然として高い伸び
給与所得者データは、6月の給与所得者数(速報値)が前月差で1.6万人増となった。なお、5月が▲0.3万人→5.4万人、4月が▲3.6万人→▲1.2万人といずれも改善方向に改定され、2か月連続の減少から単月減少となった。産業別には卸・小売業、居住・飲食業、製造業での減少が目立つ一方、事務サービスや教育サービスが増加した。6月の給与額(中央値)伸び率は前年6月に医療部門での大幅賃上げが実施されたベース効果の影響もあり、前年同月比3.6%と5月(6.0%、改定前は5.2%)から大幅に減速した。
処遇改善を求めたストライキは、5月は件数ベースで84件、労働損失日数で4.8万日となった。件数・日数ともに低水準だが、4月と比較するとやや増加した(図表6)。
5 3か月平均のデータは季節調整値だが、単月データは未季節調整値のため季節性が除去されていないため留意が必要。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年07月19日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/21 | 英国金融政策(3月MPC公表)-据え置きを決定、慎重な利下げペースを維持 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/17 | 欧州経済見通し-緩慢な回復、取り巻く不確実性は大きい | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/14 | ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月25日
産業クラスターを通じた脱炭素化-クラスターは温室効果ガス排出削減の潜在力を有している -
2025年03月25日
「大阪オフィス市場」の現況と見通し(2025年) -
2025年03月25日
ヘルスケアサービスのエビデンスに基づく「指針」公表 -
2025年03月25日
日本郵便による非公開金融情報流用事案-保険業法および個人情報保護法の規制 -
2025年03月25日
プレコンセプションケア 男性こそ必要なワケ-男性の生活習慣やストレスは精液所見に影響、加齢は次世代の健康に影響、男性の健康支援も丁寧に-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【英国雇用関連統計(24年6月)-失業率は4.4%で横ばい推移】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
英国雇用関連統計(24年6月)-失業率は4.4%で横ばい推移のレポート Topへ