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- 英国GDP(2024年1-3月期)-年明け以降はプラス成長に
2024年05月13日
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1.結果の概要:プラス成長に転じる
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様。
2.結果の詳細:実質GDP水準はコロナ禍後の最高値を更新
英国の24年1-3月期の実質成長率は前期比0.6%(年率換算2.5%)となり、23年10-12月期(前期比▲0.3%、年率▲1.2%)からプラスに転じ、21年10-12月期(前期比1.5%、年率6.2%)以来となる成長率だった。1-3月期の実質GDPの水準はコロナ禍前(19年10-12月)と比べて依然として1.7%ほど高いが、ユーロ圏各国と比較すると相対的に回復が遅れている(図表2)。
前期比成長率を需要項目別に確認すると、個人消費が前期比0.2%(前期▲0.1%)、政府消費が0.3%(前期▲0.1%)、投資が1.4%(前期0.9%)、輸出が▲1.0%(前期▲0.8%)、輸入が▲2.3%(前期▲0.3%)、在庫変動等の前期比寄与度は▲0.29%ポイント(前期▲0.28%ポイント)、純輸出は同0.44%ポイント(前期▲0.15%ポイント)だった。前期比では23年下半期に低迷していた個人消費がプラスとなったほか、GDPの控除項目である輸入の落ち込み幅が大きかったことが成長率の押し上げ要因となった。なお、コロナ禍前比で見ると個人消費が▲1.7%、政府消費が9.7%、投資が7.7%、輸出が▲6.1%、輸入が1.8%であり、個人消費や輸出の弱さ目立っている。
前期比成長率を需要項目別に確認すると、個人消費が前期比0.2%(前期▲0.1%)、政府消費が0.3%(前期▲0.1%)、投資が1.4%(前期0.9%)、輸出が▲1.0%(前期▲0.8%)、輸入が▲2.3%(前期▲0.3%)、在庫変動等の前期比寄与度は▲0.29%ポイント(前期▲0.28%ポイント)、純輸出は同0.44%ポイント(前期▲0.15%ポイント)だった。前期比では23年下半期に低迷していた個人消費がプラスとなったほか、GDPの控除項目である輸入の落ち込み幅が大きかったことが成長率の押し上げ要因となった。なお、コロナ禍前比で見ると個人消費が▲1.7%、政府消費が9.7%、投資が7.7%、輸出が▲6.1%、輸入が1.8%であり、個人消費や輸出の弱さ目立っている。
成長率を部門ごとに確認すると、農林水産部門が前期比▲0.5%、生産部門が同0.8%、建設部門が▲0.9%、サービス部門が同0.7%で主要部門である生産部門とサービス部門が好調だった(図表3)。より細かい産業分類では、水道(前期比▲2.4%)、鉱業(▲2.2%)の落ち込みが目立つ一方、輸送(3.7%)、芸術・娯楽(2.0%)、事務サービス(1.7%)、製造業(1.4%)が好調だった(図表3)。
単月の状況を月次GDPで確認すると1月が前期比0.3%、2月が同0.2%、3月が同0.4%と年始から順調に成長している。3月の実質GDPの水準はコロナ禍前比3.0%となり23年6月(2.8%)を上回り、コロナ禍後の最高値を更新した(図表4)。
単月の状況を月次GDPで確認すると1月が前期比0.3%、2月が同0.2%、3月が同0.4%と年始から順調に成長している。3月の実質GDPの水準はコロナ禍前比3.0%となり23年6月(2.8%)を上回り、コロナ禍後の最高値を更新した(図表4)。
名目GDPは、1-3月期の前期比で1.2%(10-12月期は▲0.2%)、前年同期比で4.2%(前期4.9%)、デフレータは前期比0.6%(前期0.1%)、前年同期比4.0%(前期5.1%)となった(図表5)。インフレ圧力の低下を受けて、GDPデフレータの伸び率も前期比、前年比ともに減速しているが、歴史的に見れば、前年比伸び率は依然として高い。
名目GDPを所得別に見ると、雇用者報酬が前期比0.2%(前期1.0%)と大幅に減速、営業余剰は同3.9%(前期▲3.1%)はマイナスからプラスに転じている。1-3月期は雇用者報酬の伸びが抑制される一方で、企業の利益は反発する形となった。
名目GDPを所得別に見ると、雇用者報酬が前期比0.2%(前期1.0%)と大幅に減速、営業余剰は同3.9%(前期▲3.1%)はマイナスからプラスに転じている。1-3月期は雇用者報酬の伸びが抑制される一方で、企業の利益は反発する形となった。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年05月13日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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