2024年02月06日

米国における投資助言受託者規制再燃とFIA(定額指数連動年金)への批判-年金商品監督を州に任せたままでよいのか-

保険研究部 主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任 磯部 広貴

文字サイズ

■要旨

米国民の退職後の資産を守る趣旨から、2023年10月31日、米国労働省はエリサ法における投資助言受託者の定義を実質的に拡大する規則案を公表した。同様の試みは過去にもあり、念頭に置かれている2つの取引のうち1つがFIA(定額指数連動年金)の販売である。
 
当該規則案が実現した場合、独立保険代理店を中心に多大なコンプライアンス上の実務負荷が生じ、実質的にはFIAの販売にブレーキをかけることになる。
 
ホワイトハウス声明は、バイデノミクスの一環として当該規則案は顧客の最善の利益にならない投資助言によるムダ手数料をなくすことを目的とし、また、FIAが連邦政府ではなく州の監督下にあることが顧客の保護を不十分にしてきたと批判している。
 
これに対し各州の保険当局から成るNAIC(全米保険監督官協会)は強く反発しており、当該規則案の成否は見通せない。たとえ葬られたとしても、しばらくすれば同様の議論が再燃すると思われる。
 
高齢化の進展に伴い長寿リスクへの関心は高まるばかりである。生涯保障を実現できる年金商品に注目が集まることは必然であり、その年金商品を監督するのが州のままでよいのかという視点も簡単に忘れ去られることはないだろう。

■目次

1――はじめに
2――昨年発表された労働省規則案
3――ホワイトハウス(バイデン政権)声明
4――州保険当局の反論
5――おわりに
Xでシェアする Facebookでシェアする

保険研究部   主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任

磯部 広貴 (いそべ ひろたか)

研究・専門分野
内外生命保険会社経営・制度(販売チャネルなど)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【米国における投資助言受託者規制再燃とFIA(定額指数連動年金)への批判-年金商品監督を州に任せたままでよいのか-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

米国における投資助言受託者規制再燃とFIA(定額指数連動年金)への批判-年金商品監督を州に任せたままでよいのか-のレポート Topへ