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史上初の連邦政府によるメディケア薬価交渉-第1弾10薬の価格公表は来年9月の予定-
保険研究部 主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任 磯部 広貴
2022年8月、バイデン政権はインフレ削減法を成立させ、65歳以上高齢者と障害者を対象とする公的医療保険メディケアの薬価交渉権限を連邦政府に付与した。国家財政の改善のみならず加入者の薬価自己負担額減少を企図した史上初の試みである。
約66百万人のメディケア加入者のうち、約51百万人が外来処方薬給付を対象とするメディケア・パートDに加入している。但し薬価全額が保障されるわけではなく、2024年においては加入者本人に上限8,000ドルまで自己負担の可能性がある。
連邦政府は本年8月、第1弾として2026年からの薬価引き下げに向けて交渉対象となる10の処方薬を公表した。製薬業界からはインフレ削減法を違憲とする訴訟が提起されているものの交渉には応じており、これを受けての新しい薬価は来年9月に公表予定となっている。
バイデン政権の目論見通りに薬価引き下げが実現されるか注視していきたい。
■目次
1――はじめに
2――メディケア・パートDとは
3――第1弾対象医薬品の公表
4――おわりに
(2023年11月07日「保険・年金フォーカス」)
03-3512-1789
- 【職歴】
1990年 日本生命保険相互会社に入社。
通算して10年間、米国3都市(ニューヨーク、アトランタ、ロサンゼルス)に駐在し、現地の民間医療保険に従事。
日本生命では法人営業が長く、官公庁、IT企業、リース会社、電力会社、総合型年金基金など幅広く担当。
2015年から2年間、公益財団法人国際金融情報センターにて欧州部長兼アフリカ部長。
資産運用会社における機関投資家向け商品提案、生命保険の銀行窓版推進の経験も持つ。
【加入団体等】
日本FP協会(CFP)
生命保険経営学会
一般社団法人 アフリカ協会
一般社団法人 ジャパン・リスク・フォーラム
2006年 保険毎日新聞社より「アメリカの民間医療保険」を出版
磯部 広貴のレポート
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