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宿泊旅行統計調査2023年12月~全国旅行支援の効果剥落で日本人延べ宿泊者数は停滞~
 
                                                経済研究部 安田 拓斗
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1.延べ宿泊者数は4ヵ月連続でコロナ禍前を上回る
2023年12月の日本人延べ宿泊者数は3,935万人泊(11月:4,103万人泊)となり、前年同月比は▲4.5%(11月:▲2.3%)と3ヵ月連続でマイナスとなったが、2019年同月比は3.7%(11月:同1.1%)とコロナ禍前の水準を3ヵ月連続で上回った。
2023年12月の外国人延べ宿泊者数は1,214万人泊(11月:1,189万人泊)となり、2019年同月比は32.2%(11月:同31.1%)と6ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った。
2023年12月の客室稼働率は全体で57.9%(11月:同63.4%)、2019年同月差▲0.8%(11月:同▲2.2%)と、コロナ禍前の水準を下回っているが、マイナス幅は縮小した。
宿泊施設タイプ別客室稼働率をみると、旅館は35.3%、2019年同月差0.3%(11月:同0.2%)、リゾートホテルは52.5%、2019年同月差▲0.1%(11月:同▲2.1%)、ビジネスホテルは69.6%、2019年同月差▲2.0%(11月:同▲3.2%)、シティホテルは71.4%、2019年同月差▲4.6%(11月:同▲6.8%)、簡易宿所は22.5%、2019年同月差▲7.9%(11月:同▲6.6%)であった。2019年同月差は旅館で3ヵ月連続のプラスとなったが、それ以外のタイプの宿泊施設ではマイナス圏での推移が続いた。
2.日本人延べ宿泊者数は回復が足踏み
 2022年10月に開始された全国旅行支援は、すでにほとんどの自治体で終了している。現時点(1月31日)で2024年2月に旅行需要喚起策を実施する自治体は、福島県(福島県「来て。」割キャンペーン1)と岐阜県(ぎふ旅コイン2)と三重県(平日ゆったりみえ旅キャンペーン3)のみとなった。
                                                        2022年10月に開始された全国旅行支援は、すでにほとんどの自治体で終了している。現時点(1月31日)で2024年2月に旅行需要喚起策を実施する自治体は、福島県(福島県「来て。」割キャンペーン1)と岐阜県(ぎふ旅コイン2)と三重県(平日ゆったりみえ旅キャンペーン3)のみとなった。全国旅行支援の需要喚起効果が剥落し、日本人延べ宿泊者数は2019年比では3ヵ月連続でプラスとなったが、前年比では3ヵ月連続のマイナスとなっている。物価高による実質所得の低下とホテル代の高騰を背景に、日本人旅行者数は停滞している。日本人延べ宿泊者数の先行きは、コロナ禍前と同程度で推移を続けるだろう。
1 一人当たり税込8000円以上の宿泊代を3000円割引。クーポンの配布はない。2月29日まで
2 条件を満たす人にクーポンを配布。2月29日まで
3 平日宿泊する人に対してクーポンを配布。2月29日まで
3.外国人延べ宿泊者数は引き続き増加する見通し
一方、外国人延べ宿泊者数(従業者数10人以上の施設)の2019年比は2023年12月に全体が24.4%(11月:同22.1%)と4ヵ月連続のプラスとなり、中国を除くと同48.6%(11月:同49.5%)と8ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った。
外国人延べ宿泊者数の先行きは、中国人宿泊者数の回復にはまだ時間がかかる公算が大きいが、コロナ禍前に比べて為替レートが円安の水準にあることが追い風となって増加を続けるだろう。
4 2019年7~12月は日韓関係悪化のため訪日韓国人が大幅に減少していた
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年02月01日「経済・金融フラッシュ」)
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