2024年01月30日

雇用関連統計23年12月-宿泊・飲食サービス業の就業者数がコロナ禍前の水準を上回る

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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1.失業率は前月から0.1ポイント低下の2.4%

完全失業率と就業者の推移 総務省が1月30日に公表した労働力調査によると、23年12月の完全失業率は前月から0.1ポイント低下の2.4%(QUICK集計・事前予想:2.5%、当社予想は2.4%)となった。

労働力人口が前月から22万人の減少となる中、就業者が前月から12万人減少し、失業者は前月から8万人減の169万人(いずれも季節調整値)となった。12月は非労働力化の進展が失業者の減少につながったが、11月と均してみれば、労働力人口、就業者とも増加している。また、労働需給を反映しやすい雇用者数は11月、12月と2ヵ月連続で増加した。
就業者数は前年差38万人増(11月:同56万人増)と17ヵ月連続で増加した。産業別には、卸売・小売業が前年差3万人減(11月:同7万人減)と2ヵ月連続で減少したが、宿泊・飲食サービス業が前年差21万人増(11月:同20万人増)と18ヵ月連続で増加し、製造業が前年差28万人増(11月:同33万人)、医療・福祉が前年差2万人増(11月:同22万人増)と2ヵ月連続で増加した。宿泊・飲食サービス業の就業者数は417万人となり、コロナ禍前(19年12月)の水準を2万人上回った。
産業別・就業者数の推移/雇用形態別雇用者数
雇用者数(役員を除く)は前年に比べ61万人増(11月:同52万人増)と22ヵ月連続で増加した。雇用形態別にみると、正規の職員・従業員数が前年差21万人増(11月:23万人増)と2ヵ連続で増加、非正規の職員・従業員数が前年差39万人増(11月:同30万人増)と4ヵ月連続で増加した。

2.有効求人倍率は低下傾向が続く

厚生労働省が1月30日に公表した一般職業紹介状況によると、23年12月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント低下の1.27倍(QUICK集計・事前予想:1.28倍、当社予想も1.28倍)となった。有効求人数が前月比0.2%の増加となったが、有効求職者数が同0.5%と求人数を上回る伸びとなった。

有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から横ばいの2.26倍となった。新規求人数、新規求職申込件数ともに前月比3.0%の増加となった。

新規求人数は前年比▲3.3%(11月:同▲4.8%)と4ヵ月連続で減少した。産業別には、製造業(同▲10.5%)、建設業(同▲5.5%)が10ヵ月連続、卸売・小売業(同▲3.6%)、生活関連サービス・娯楽業(同▲8.4%)が7ヵ月連続で減少したことに加え、11月に2年2ヵ月ぶりに減少した宿泊・飲食サービス業が同▲0.9%(11月:同▲12.8%)と2ヵ月連続で減少した。
有効求人倍率の推移/産業別新規求人数
雇用情勢は改善傾向が続いているが、労働力調査が良好な内容となる一方、一般職業紹介は企業の求人意欲に陰りが出てきたことを示しており、両統計の動きが異なっている。特に、宿泊・飲食サービス業は就業者の大幅増加が続く一方、新規求人数が減少に転じており、両者の動きが大きく乖離している。同業種の就業者数がコロナ禍前の水準を上回るなど、雇用の確保に一定の目処がついたことで、新規求人の伸びが鈍っている可能性もあるだろう。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2024年01月30日「経済・金融フラッシュ」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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