2024年01月30日

良好な景況感が継続。価格ピーク時期に対する見解はやや後ろ倒しに。~期待はホテルと産業関係施設(データセンターなど)。リスク要因として、建築コストと米国政治・外交への関心が高まる~第20回不動産市況アンケート結果

金融研究部 主任研究員 吉田 資

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■要旨
 
  • 不動産市況の現状および今後の方向性を把握すべく、不動産分野の実務家・専門家を対象に「不動産市況アンケート」(第20回)を実施した(回答者数111名、回収率;55.5%)。
     
  • 不動産投資市場全体(物件売買、新規開発、ファンド組成)の景況感は、プラスの回答(「良い」と「やや良い」の合計)との回答が約6割、「平常・普通」が約3割、マイナスの回答(「悪い」と「やや悪い」の合計)が約1割となった。前回調査から大きな変化はなく、プラスの回答が半数以上を占める結果となった。
     
  • 6ヵ月後の景況見通しは、「変わらない」との回答が約6割、好転との回答(「良くなる」と「やや良くなる」の合計)が約2割、悪化との回答(「悪くなる」と「やや悪くなる」の合計)が約2割を占めた。
     
  • 今後、価格上昇や市場拡大が期待できる投資セクター(証券化商品含む)について、「ホテル」との回答が最も多く、次いで「産業関係施設(データセンターなど)」、「賃貸マンション」との回答が多かった。
     
  • 今後、価格上昇や市場拡大が期待できる投資エリアは、「東京都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)」との回答が最も多く、次いで「福岡市」、「札幌市」との回答が多かった。
     
  • 不動産投資市場への影響が懸念されるリスク要因について、「建築コスト」との回答が最も多く、次いで、「国内金利」、「欧米経済」との回答が多かった。前回調査と比較して、「建築コスト」と「米国政治・外交」に対する懸念が高まった。
     
  • 東京の不動産価格のピーク時期について、「既に価格はピーク」との回答が3割強、「2024年」が3割、「2025年」が3割弱を占めた。


■目次

アンケートの概要
アンケートの結果
  1.不動産投資市場の景況感
  2.投資セクター選好
  3.投資エリア選好
  4.不動産投資市場のリスク要因
  5.不動産価格のピーク時期
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金融研究部   主任研究員

吉田 資 (よしだ たすく)

研究・専門分野
不動産市場、投資分析

経歴
  • 【職歴】
     2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
     2018年 ニッセイ基礎研究所

    【加入団体等】
     一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)

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