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- 宿泊旅行統計調査2023年11月~延べ宿泊者数は3ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回る~
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1.外国人を中心に延べ宿泊者数は堅調に推移
2023年11月の日本人延べ宿泊者数は4,196万人泊(10月:4,152万人泊)となり、前年同月比は▲0.1%(10月:▲1.1%)と2ヵ月連続でマイナスとなったが、2019年同月比は3.4%(10月:同4.3%)とコロナ禍前の水準を上回った。
2023年11月の外国人延べ宿泊者数は1,160万人泊(10月:1,226万人泊)となり、2019年同月比は28.0%(10月:同19.5%)と5ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った。
2023年11月の客室稼働率は全体で61.0%(10月:同62.0%)、2019年同月差▲4.6%(10月:同▲1.6%)と、マイナス幅が拡大した。延べ宿泊者数はコロナ禍前を回復したが、客室稼働率は依然としてコロナ禍前の水準を下回っている。
宿泊施設タイプ別客室稼働率をみると、旅館は41.8%、2019年同月差▲0.1%(10月:同1.3%)、リゾートホテルは55.9%、2019年同月差▲1.6%(10月:同▲0.3%)、ビジネスホテルは76.0%、2019年同月差▲3.9%(10月:同▲2.8%)、シティホテルは76.2%、2019年同月差▲6.3%(10月:同▲5.6%)、簡易宿所は26.1%、2019年同月差▲8.2%(10月:同▲7.0%)であった。旅館は2019年同月差がマイナスに転じ、それ以外のタイプの宿泊施設ではマイナス幅が拡大した。
2.日本人延べ宿泊者数はコロナ禍前と同程度の水準で推移する見通し
全国旅行支援の需要喚起効果が剥落し、日本人延べ宿泊者数は前年比で2ヵ月連続のマイナスとなっている。日本人延べ宿泊者数の先行きは、コロナ禍根で抑えられた旅行需要が残存しているためコロナ禍前と比較して大きく落ち込む可能性は低いが、人件費高騰や物価高などによるホテル代高騰が向かい風となり、コロナ禍前と同程度で推移を続けるだろう。
1 三重県内に平日宿泊する人に対してクーポンを配布
2 京都府内に旅行する人に対して旅行費補助とクーポン配布
3.外国人延べ宿泊者数は引き続き増加する見通し
一方、外国人延べ宿泊者数(従業者数10人以上の施設)の2019年比は2023年11月に全体が20.9%(10月:同13.5%)と3ヵ月連続のプラスとなり、中国を除いた全体が同47.7%(10月:同35.7%)と7ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った。中国人延べ宿泊者数はコロナ禍前の半分程度の水準だが、中国以外の国からの宿泊者数はコロナ禍前を大幅に上回っている。
中国人宿泊者数の回復にはまだ時間がかかる公算が大きいが、コロナ禍前に比べて為替レートが依然として円安の水準にあることが追い風となって、今後も外国人宿泊者数は増加を続けるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2023年12月27日「経済・金融フラッシュ」)
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