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2023年11月09日
4.J -REIT(不動産投信)市場
今年に入り、Jリート市場と株式市場のパフォーマンス格差が一段と拡大している。年初からの東証REIT指数の下落率は▲1.8%で、コロナ禍の影響を受けた2020年以降では▲13.3%下落し、同期間のTOPIXの上昇(2023年+22.8%、2020年以降+35.0%)を大幅に下回っている(9月末時点)。
コロナ禍以降の(20年~23年)の東証REIT指数の騰落率について、①分配金、②10年金利、③リスクプレミアム(分配金利回り-10年金利)の3つの要因に分解し、それぞれの寄与度を確認すると、①分配金は21年から回復に向かい累計で1%のプラス寄与。③リスクプレミアムは3.6%から3.4%へ縮小し累計で4%のプラス寄与。一方、②10年金利は22年から上昇ピッチを強め累計で▲18%のマイナス寄与となった(図表-19)。こうしてみると、金利上昇がJリート市場に重くのしかかっていることが分かる。
もっとも、金利上昇が即、価格下落につながるわけではない。例えば、米国リート市場は10年金利が年初より0.7%上昇した一方、リスクプレミアムが0.4%縮小し金利上昇の痛みを緩和する効果をもたらしている。また、日本では現状、金利の先高観が強いものの、Jリート市場のリスクプレミアム(3.4%)は米国(▲0.1%)と比べて十分に厚く、ある程度金利上昇への備えができていると言える。引き続き、市場金利とあわせてリスクプレミアムの動向にも注意を払う必要がありそうだ。
コロナ禍以降の(20年~23年)の東証REIT指数の騰落率について、①分配金、②10年金利、③リスクプレミアム(分配金利回り-10年金利)の3つの要因に分解し、それぞれの寄与度を確認すると、①分配金は21年から回復に向かい累計で1%のプラス寄与。③リスクプレミアムは3.6%から3.4%へ縮小し累計で4%のプラス寄与。一方、②10年金利は22年から上昇ピッチを強め累計で▲18%のマイナス寄与となった(図表-19)。こうしてみると、金利上昇がJリート市場に重くのしかかっていることが分かる。
もっとも、金利上昇が即、価格下落につながるわけではない。例えば、米国リート市場は10年金利が年初より0.7%上昇した一方、リスクプレミアムが0.4%縮小し金利上昇の痛みを緩和する効果をもたらしている。また、日本では現状、金利の先高観が強いものの、Jリート市場のリスクプレミアム(3.4%)は米国(▲0.1%)と比べて十分に厚く、ある程度金利上昇への備えができていると言える。引き続き、市場金利とあわせてリスクプレミアムの動向にも注意を払う必要がありそうだ。
5 NAV倍率は、市場時価総額がリートの解散価値(NAV:Net Asset Value)の何倍で評価されているかを表わす指標。
(ご注意)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
(2023年11月09日「不動産投資レポート」)
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