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「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2023年9月時点)

金融研究部 主任研究員 吉田 資
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- 東京都心部Aクラスビルの空室率は、在宅勤務の普及に伴うオフィス戦略の見直しなどを背景に上昇し、2014年第3四半期以来となる5%台に達した。また、成約賃料は、需給バランスの緩和に伴い、下落基調で推移している。本稿では、東京都心部Aクラスビル市場の動向を概観し、2027年までの賃料と空室率の予測を行った。
- 東京都の就業者数は、情報通信業等を中心に増加し、オフィスワーカーの割合の高い非製造業では人手不足感が強いことから、東京都心部の「オフィスワーカー数」が大幅に減少する懸念は小さい。また、情報通信業や金融業・保険業等では、事業所の開業率が廃業率を大幅に上回っている。今後も、従業員にとって快適なオフィス環境を整備する取組みが継続し、ミーティングスペースや、web会議用スペースを充実させる企業の増加が期待される。一方、拠点集約や賃貸面積の一部解約、サードプレイスオフィス利用への変更等、オフィス戦略の見直しが継続すると考えられる。また、フリーアドレスの導入が広がるなか、スペース利用の効率化が進むことが予想される。
- 都心5区では、多くの大規模開発が進行中である。2024年は、新規供給が一旦落ち着くものの、2025年は約20万坪の大量供給が予定されており、2026年以降も10万坪を超える新規供給が続く見通しである。
- 東京都心部Aクラスビルの空室率は、2024年にやや改善した後、6%前後で推移することが予想される。また、成約賃料は、現時点(2023年第2四半期)と同水準となる2万6千円近辺で推移すると予測する。
■目次
1. はじめに
2. 東京都心Aクラスオフィス市場の現況
2-1. 空室率および賃料の動向
2-2. 空室率と募集賃料のエリア別動向
2-3. 企業のオフィス環境整備の方針等を踏まえた、今後のオフィス需要を考える
3. 東京都心部Aクラスビル市場の見通し
3-1. Aクラスビルの新規供給見通し
3-2. Aクラスビルの空室率および成約賃料の見通し
(2023年09月28日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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