- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- 「仙台オフィス市場」の現況と見通し(2023年)
「仙台オフィス市場」の現況と見通し(2023年)

金融研究部 上席研究員 吉田 資
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 仙台のオフィス市場では、昨年は大規模ビルの新規供給がないなか、空室率は低下し、成約賃料は概ね横ばいでの推移となった。一方、今年の新規供給面積は13年ぶりに1万坪を超えて約1.5万坪に達し、今後についても複数の大規模ビル開発が計画されている。本稿では、仙台のオフィスの現況を概観した上で、2027年までの賃料予測を行った。
- 新規供給に関して、2023年は複数の大規模ビルが竣工し約1.5万坪に達するが、2024年から2025年は一段落する見通しである。一方、仙台市の生産年齢人口は減少基調で推移しており、コロナ禍で悪化した東北地方の「企業の経営環境」と「雇用環境」についても本格回復に至っておらず、オフィスワーカーの大幅な増加は見込み難い状況にある。さらに、テレワークを採り入れた新たな働き方が情報通信業等を中心に定着するなか、ワークプレイスの見直しを検討する動きが仙台市でも広がる可能性がある。以上を鑑みると、仙台市のオフィス需要は力強さに欠けることが予想され、空室率は2023年の大量供給に伴い上昇した後、高止まりで推移すると予測する。
- 仙台のオフィス成約賃料は、需給バランスの緩和に伴い、緩やかに下落基調で推移する見通しである。2022年を100 とした場合、2023年の賃料は「99」、2027年の賃料は「96」への下落を予想する。ただし、2018年の賃料水準(93)を上回り、大幅な賃料下落には至らない。
■目次
1. はじめに
2. 仙台オフィス市場の現況
2-1. 空室率および賃料の動向
2-2. オフィス市場の需給動向
2-3. 空室率と募集賃料のエリア別動向
3. 仙台オフィス市場の見通し
3-1. 新規需要の見通し
3-2. オフィスビルの新規供給見通し
3-3. 賃料見通し
(2023年07月19日「不動産投資レポート」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
吉田 資のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/02 | 「福岡オフィス市場」の現況と見通し(2025年) | 吉田 資 | 不動産投資レポート |
2025/06/18 | 「広島オフィス市場」の現況と見通し(2025年) | 吉田 資 | 不動産投資レポート |
2025/05/30 | 「名古屋オフィス市場」の現況と見通し(2025年) | 吉田 資 | 不動産投資レポート |
2025/05/16 | わが国のホテル投資市場規模(2024年) | 吉田 資 | 不動産投資レポート |
新着記事
-
2025年07月04日
金融安定性に関するレポート(欧州)-EIOPAの定期報告書の公表 -
2025年07月04日
「持ち家か、賃貸か」。法的視点から「住まい」を考える(1)~持ち家を購入することは、「所有権」を得ること -
2025年07月04日
米雇用統計(25年6月)-非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったほか、失業率が上昇予想に反して低下 -
2025年07月03日
ユーロ圏失業率(2025年5月)-失業率はやや上昇したが、依然低位安定 -
2025年07月03日
IAIGsの指定の公表に関する最近の状況(14)-19の国・地域からの60社全てのIAIGsのグループ名が公開された-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【「仙台オフィス市場」の現況と見通し(2023年)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
「仙台オフィス市場」の現況と見通し(2023年)のレポート Topへ