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「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2023年2月時点)

金融研究部 主任研究員 吉田 資
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- 東京都心部Aクラスビルの空室率は、在宅勤務の普及や働き方の変化等に伴うワークプレイスの見直しが進むなか上昇基調で推移し、3%台後半となった。成約賃料は、需給バランスの緩和に伴い、下落基調で推移している。本稿では、東京都心部Aクラスビル市場の動向を概観し、2027年までの賃料と空室率の予測を行った。
- 東京都の就業者数は、情報通信業等を中心に増加し、オフィスワーカーの割合の高い非製造業では人手不足感が特に強いことから、東京都心部の「オフィスワーカー数」が大幅に減少する懸念は小さい。また、従業員にとって快適なオフィス環境を整備する取組みが継続し、ミーティングスペースや、web会議用スペースを充実させる企業が増えると考えられる。
- 一方、拠点集約や賃貸面積の一部解約、サードプレイスオフィス利用への変更等、オフィス戦略の見直しは継続すると考えられる。また、フリーアドレスの導入が広がるなか、スペース利用の効率化が進み、社員1人あたりのオフィス面積は縮小傾向で推移するだろう。以上を鑑みると、今後のオフィス需要(オフィス利用面積)は力強さを欠く見込みである。
- そのため、今後5年間の空室率は上昇基調が継続すると予想する。特に、2023年と2025年は大量供給の影響を受けて空室率が上昇し、2027年には5%台後半となる見通しである。
- 成約賃料(2022 年=100)は、2023 年に「97」、2024年に「96」、2027年に「93」となり、2013年の水準まで下落する見通しである。
■目次
1. はじめに
2. 東京都心Aクラスオフィス市場の現況
2-1. 空室率および賃料の動向
2-2. 企業のオフィス戦略見直しを踏まえた、今後のオフィス需要を考える
3. 東京都心部Aクラスビル市場の見通し
3-1. Aクラスビルの新規供給見通し
3-2. Aクラスビルの空室率および成約賃料の見通し
(2023年02月21日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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