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「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2022年9月時点)

金融研究部 主任研究員 吉田 資
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- 東京都心部Aクラスビル の空室率は、在宅勤務の普及等に伴い、企業によるオフィス戦略の見直しが進むなか上昇基調で推移し、3%台後半に達した。成約賃料は、3万円を下回る水準まで下落した。本稿では、東京都心部Aクラスビル市場の動向を概観し、2026年までの賃料と空室率の予測を行った。
- 東京都の就業者数が回復に向かい、オフィスワーカーの割合の高い非製造業では人手不足感が強いことから、東京都心部の「オフィスワーカー数」が大幅に減少する懸念は小さい。また、「Well-being」など従業員にとって快適なオフィス環境を整備する取組みが継続するなか、利用効率性のみが追求され「1席あたりオフィス面積」が大幅に縮小する懸念は小さい。
- 一方、「オフィス勤務」と「在宅勤務」を組み合わせた働き方が定着しつつあり、オフィス戦略の見直しが進んでいる。また、「フリーアドレス」の導入が広がるなか、オフィス利用人数に対して、余裕のある座席数を確保する企業は減少していくと考えられる。以上を鑑みると、今後のオフィス需要(オフィス利用面積)は力強さを欠く見込みである。
- そのため、今後5年間の空室率は上昇基調が継続すると予想する。特に、2023年と2025年は大量供給の影響を受けて空室率が上昇し、2026年には約7%となる見通しである。
- 成約賃料(2021 年=100)は、2022 年に「93」、2023年に「91」、2026 年に「88」となり、2013年の水準まで下落する見通しである。
■目次
1. はじめに
2. 東京都心Aクラスオフィス市場の現況
2-1. 空室率および賃料の動向
2-2. オフィス市場の需給動向
2-3. 企業のオフィス戦略見直しを踏まえた、今後のオフィス需要を考える
3. 東京都心部Aクラスビル市場の見通し
3-1. Aクラスビルの新規供給見通し
3-2. Aクラスビルの空室率および成約賃料の見通し
(2022年09月14日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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