2022年05月30日

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■要旨
 
  • 福岡のオフィス市場では、景気悪化やテレワーク普及などを背景にオフィス需要が低迷するなか、昨年は過去最高水準の3万坪を超えるオフィスビルの新規供給があり、空室率は上昇基調で推移している。また、成約賃料は需給緩和で横ばいとなっている。本稿では、福岡のオフィス市況を概観した上で、2026年までの賃料予測を行った。
     
  • 福岡市では、人口の流入超過が継続しているもののその勢いは鈍化しており、福岡県の就業者は、10 年ぶりに減少に転じた。また、コロナ禍が「企業の経営環境」に与えたダメージは、全国平均と比べて大きく、「雇用環境」は本格的な回復には至っていない。そのため、福岡市のオフィス需要はしばらくの間、力強さに欠けることが予想される。
     
  • 一方、福岡市では、「天神ビックバン」プロジェクトや「博多コネクティッドボーナス」を背景に、多くの大規模開発が進行中である。今後3 年間(2022 年~2024 年)の総ストックに対する供給の割合は主要地方都市の中で最も高い水準になる。以上を鑑みると、福岡の空室率は当面の間、上昇傾向で推移すると予測する。
     
  • 福岡のオフィス成約賃料は、空室率の上昇に伴い、下落基調で推移する見通しである。2021年の賃料を100 とした場合、2022 年は「99」、2026年は「86」への下落を予測する。


■目次

1. はじめに
2. 福岡オフィス市場の現況
  2-1. 空室率および賃料の動向
  2-2. オフィス市場の需給動向
  2-3. 空室率と募集賃料のエリア別動向
3. 福岡オフィス市場の見通し
  3-1. 新規需要の見通し
  3-2. オフィスビルの新規供給見通し
  3-3. 賃料見通し

(2022年05月30日「不動産投資レポート」)

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金融研究部   主任研究員

吉田 資 (よしだ たすく)

研究・専門分野
不動産市場、投資分析

経歴
  • 【職歴】
     2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
     2018年 ニッセイ基礎研究所

    【加入団体等】
     一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)

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