コラム
2023年11月08日

2023年10月投資部門別売買動向~海外投資家は2カ月連続売り越し~

金融研究部 研究員 森下 千鶴

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日経平均株価は、10月上旬は、米金融引き締め観測による米長期金利の上昇と米国株下落が嫌気され、4日に3万526円まで下落した。その後は、FRB副議長等の発言から米国の追加利上げ観測が後退、米長期金利上昇が一服し、12日に3万2,494円まで上昇した。中旬は、堅調な米経済指標による米金融引締め長期化懸念や、中東情勢の緊迫化などから、日経平均株価の上値が抑えられ3万2,000円前後で推移した。下旬は、パウエル米FRB議長が追加利上げを示唆したことや、日銀によるYCC運用の再修正観測から、日米の長期金利が上昇した。それを受けて日経平均株価は26日に一旦3万601円まで下落したが、月末は3万858円に戻して終えた。10月の日経平均株価は998円安と今年最大の下げ幅となり、2023年7月以降4カ月連続の下落となった。10月はこのように日経平均株価が推移する中、海外投資家、信託銀行が売り越す一方で、個人、事業法人が買い越した。
図表1 主な投資部門別売買動向と日経平均株価の推移
2023年10月(10月2日~10月27日)の投資部門別の売買動向をみると、海外投資家は、10月に現物と先物の合計で9,035億円の売り越しと、10月最大の売り越し部門であった。週間では、第2週(10月10日~13日)は7,824億円買い越すも、第1週(10月2日~6日)は8,996億円の売り越し、第3週(10月16~20日)は1,845億円の売り越し、第4週(10月23~27日)は6,016億円の売り越しとそれ以上に売り越した。

図表2は海外投資家の週間の売買動向を、現物と先物に分けて集計したものである。10月は、現物は9,648億円買い越される一方で、先物は1兆8,684億円の売り越しと、現物の買い以上に先物が売られた。日経平均株価は、10月前半に約1,300円下落した後、一旦は約2,000円上昇したが、月末にかけては再び約2000円下落するなど、株価の変化幅が非常に大きかった。米国を中心とした金融政策と景気の見通し、それに伴う長期金利の動きに神経質になる中で、先物を中心とした短期投資家の動きが目立った様子である。また、信託銀行も現物と先物の合計で1,971億円を売り越した。
図表2 現物は買い越しも、先物が大幅売り越し
一方で、個人が現物と先物の合計で10月に7,103億円の買い越しと、最大の買い越し部門であった。週間では、第2週(10月10日~13日)は4,577億円売り越すも、第1週(10月2日~6日)は4,847億円の買い越し、第3週(10月16~20日)は4,757億円の買い越し、第4週(10月23~27日)は2,077億円の買い越しと、まさに海外投資家と反対の動きをしていた。日本株が下落するなか、個人は9月から「逆張り」の買いを継続していたことが確認できる。さらに、事業法人は現物と先物の合計で5,125億円買い越しと、2021年6月から29カ月連続で買い越した。
図表3 個人は2カ月連続の買い越し
 
 

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森下 千鶴 (もりした ちづる)

研究・専門分野
株式市場・資産運用

(2023年11月08日「研究員の眼」)

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