2023年09月04日

ブラジルGDP(2023年4-6月期)-1-3月期に続いて高成長を維持

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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1.結果の概要:前期比0.9%、高成長を維持

9月1日、ブラジル地理統計院(IBGE)は国内総生産(GDP)を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【実質GDP成長率(2023年4-6月期)】
前年同期比伸び率(未季節調整値)は3.4%、市場予想1(2.7%)を上回り、前期(4.0%)から低下した(図表1・2)。
前期比伸び率(季節調整値)は0.9%、予想(0.3%)を上回り、前期(1.8%)から減速した。

(図表1)ブラジルの実質GDP成長率(需要項目別寄与度)/(図表2)ブラジルの実質GDP成長率(産業別寄与度)
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:デフレータはコロナ禍前程度まで低下

23年4-6月期の実質GDP伸び率は前期比0.9%(季節調整値、年率換算3.7%)で、1-3月期(前期比1.8%、年率換算7.5%)から減速したものの、予想を上回る高い伸び率を記録した。コロナ禍前(19年10-12月期)比では7.4%となった(図表4・5)。

成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費が0.9%(前期:0.7%)、政府消費が0.7%(前期:0.4%)、投資0.1%(前期:▲3.4%)、輸出が2.9%(前期:0.3%)、輸入が4.5%(前期:▲3.9%)となった。投資は冴えない状況が続いているが、消費や輸出が高成長を記録した。

なお、コロナ禍前との対比では、個人消費が5.6%、政府消費が3.3%、投資が14.7%、輸出が16.5%、輸入4.4%だった(図表4)。

ブラジルでは昨年8月以降、政策金利を13.75%の高水準に据え置いていることから、投資の伸び悩みが続いていると見られる(ただし、中銀は今年8月に利下げに転じた)。一方、ルラ政権下では最低賃金の引き上げや低所得者向けの現金給付(ボルサ・ファミリア)を拡充しており、これらが消費の下支えに貢献したと見られる(また、6月には低価格車への減税策も導入している)。
(図表3)業種別のGDP伸び率
(図表4)ブラジルの実質GDPの動向(需要項目別)/(図表5)ブラジルの実質GDPの動向(供給項目別)
産業分類別に実質GDPの伸び率を見ると(図表3・5)、第一次産業は前期比▲0.9%(前期:21.0%)、第二次産業は同0.9%(前期:0.1%)、第三次産業は同0.6%(前期:0.6%)だった。第一次産業はマイナス成長となったが、生産水準は高く、前期に続き大豆やトウモロコシなど主要農作物の収穫が好調だった。
(図表6)ブラジルの名目および実質成長率 より細かい業種では、第二次産業のうち鉱業が前期比1.8%、建設業が同0.7%と高めの成長率を記録した。また第三次産業のうち、金融(前期比1.3%)や専門サービスなどを含むその他サービス(同1.3%)の伸び率が高かった。

23年4-6月期の名目成長率は前年同期比7.3%(前期:10.4%)となった。名目と実質成長率の差(デフレータに相当)は3.9%(前期:6.4%)と低下が続き、コロナ禍前の水準まで下がった(図表6)。

交易条件に関しては、輸出デフレータと輸入デフレータのいずれも下落するなかで、ごくわずかな改善が続いている。
 
 

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

(2023年09月04日「経済・金融フラッシュ」)

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