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- ユーロ圏消費者物価(25年6月)-総合指数の前年比2%水準が継続
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2025年07月02日
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1.結果の概要:総合指数は2%ちょうどに、コア指数は2.3%で横ばい
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。
2.結果の詳細:総じて5月と同様の状況
6月のHICP上昇率3(前年同月比)は全体で2.0%となり、5月(1.9%)からやや上昇、ECBの2%物価目標と一致した。「コア部分(=エネルギーと飲食料を除く総合)」は2.3%と5月(2.3%)から横ばい推移となった。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が4月0.6%→5月0.6%→6月0.5%、「サービス」(エネルギーを除く)が4月4.0%→5月3.2%→6月3.3%となり、いずれも5月とほぼ同水準の伸び率となった。前年同月比寄与度は、「財」が0.12%ポイント程度、「サービス」が1.43%ポイント程度と見られる。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で4月▲3.6%→5月▲3.6%→6月▲2.7%となり、マイナスが続いているがマイナス幅が縮小した。エネルギーの前年同月比寄与度は▲0.31%ポイント程度(5月は▲0.34%ポイント)と見られる(前掲図表2)。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が4月0.6%→5月0.6%→6月0.5%、「サービス」(エネルギーを除く)が4月4.0%→5月3.2%→6月3.3%となり、いずれも5月とほぼ同水準の伸び率となった。前年同月比寄与度は、「財」が0.12%ポイント程度、「サービス」が1.43%ポイント程度と見られる。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で4月▲3.6%→5月▲3.6%→6月▲2.7%となり、マイナスが続いているがマイナス幅が縮小した。エネルギーの前年同月比寄与度は▲0.31%ポイント程度(5月は▲0.34%ポイント)と見られる(前掲図表2)。
「飲食料(アルコール含む)」は、前年同月比で3.1%(5月3.2%)とやや低下(図表3)、内訳を見ると、飲食料のうち加工食品の伸び率は2.7%(5月2.9%)に低下したが、未加工食品は4.6%(5月4.3%)と上昇した。飲食料の前年同月比寄与度は0.66%ポイント程度(5月は0.62%ポイント)と見られる。
総じて6月はほぼ5月と同様の状況が継続したと言える。
物価上昇の勢いをECBが公表する季節調整済系列で確認すると(図表4)、3か月移動平均後の3か月前比年率で総合指数が0.8%(5月1.5%)、コアが2.7%(5月2.7%)、エネルギーを除く財が0.2%(5月0.3%)、サービスが4.1%(5月4.0%)、飲食料が2.8%(5月2.8%)となった。サービスインフレの物価上昇の勢いがやや高めではあるものの、6月は5月に続き2か月連続で総合指数の物価上昇の勢いが2%を下回った。
総じて6月はほぼ5月と同様の状況が継続したと言える。
物価上昇の勢いをECBが公表する季節調整済系列で確認すると(図表4)、3か月移動平均後の3か月前比年率で総合指数が0.8%(5月1.5%)、コアが2.7%(5月2.7%)、エネルギーを除く財が0.2%(5月0.3%)、サービスが4.1%(5月4.0%)、飲食料が2.8%(5月2.8%)となった。サービスインフレの物価上昇の勢いがやや高めではあるものの、6月は5月に続き2か月連続で総合指数の物価上昇の勢いが2%を下回った。
国別のHICP上昇率は、前年同月比で20か国中、上昇したのは15か国、残りの5か国は低下した(図表5)。また、物価目標の2%以下となったのは5か国だった。なお、前月比では20か国中18か国がプラス、1か国がマイナスの伸び率、1か国が横ばいとなった(図表6)。
3 23年からはユーロ圏20か国のデータ、22年までは19か国のデータ(以降も特に断りがない限り同様)。
3 23年からはユーロ圏20か国のデータ、22年までは19か国のデータ(以降も特に断りがない限り同様)。
(2025年07月02日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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