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さらなるキャッシュレス化に向けた課題について整理する(1)-2022年の日本のキャッシュレス化の進展状況の振り返り
金融研究部 金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任 福本 勇樹
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- 2022年のキャッシュレス決済比率を推定すると、分子のキャッシュレス決済額が前年比で約18%増加、分母の民間最終消費支出が約5%増加して約36%に達するものとみられる。
- 銀行振込や口座振替を含めた場合、月々の支出金額に占めるキャッシュレス決済額の割合はアンケートベースで67%に達しており、現金以外の何かしらのデジタルな決済手段の利用が一般的になりつつある。
- 2020年第2四半期に変動費を中心とした各種支払が控えられたことによりクレジットカードの決済額の伸び率は一時的にマイナスに落ち込んだが、2021年第2四半期以降は指数関数的な伸び率を回復している。
- デビットカードも20%前後の伸び率を維持している。与信枠の限られる学生、節約志向の強い消費者、ATMの利用を避ける消費者などが利用を増やしているものと見られる。
- 電子マネーの決済額の伸び率はゼロ%近辺にある。他のキャッシュレス決済手段と比較して決済額は頭打ちの状況にあるが、マイナンバーカードと電子マネーを連携させるなどの普及策が検討されている。
- QRコード決済の決済額の伸び率が年率50%と驚異的なペースで拡大している。チャージして決済する方式の決済額が伸びを牽引しているが、決済単価が伸びていないのが課題である。
- キャッシュレス決済額が伸びている一方で民間最終消費支出の伸び率はさほど向上しておらず、キャッシュレス化の進展が経済成長につながってないようにみえる点については、引き続きモニタリングが必要である。
■目次
1――キャッシュレス決済が日常的なものに
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03-3512-1848
- 【職歴】
2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
2021年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)
【著書】
成城大学経済研究所 研究報告No.88
『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
出版社:成城大学経済研究所
発行年月:2020年02月
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