2021年07月01日

キャッシュレス化による経済成長への波及効果について考える-VARモデルによる日本のキャッシュレス化に関する分析

金融研究部 上席研究員・年金総合リサーチセンター兼任   福本 勇樹

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■要旨
 
  • キャッシュレス化には現金を持ち運ぶ必要がなくなるなど、決済インフラの高度化によって社会全体が効率化するため、経済成長と何かしらの関連性があることが想定される。
     
  • 経済成長に対する波及経路という意味で、キャッシュレス化には「消費が活性化して短期的に実質GDPが上昇する」効果と、「技術革新や雇用・投資が増えることで長期的に実質GDPが上昇する」効果があると考えられる。
     
  • いくつかの先行研究によると、ATMやカード決済などの決済インフラが整っている先進国では前者の効果が相対的に大きくなり、決済インフラが発展途上にある新興国では後者の効果が相対的に大きくなるとの指摘がある。
     
  • 日本のキャッシュレス化による経済成長に対する効果について定量分析を行ったところ、キャッシュレス化には実質GDPや物価を上昇させる効果があることが確認できた。
     
  • ただし、キャッシュレス化の実質GDPや物価に対するプラスの効果は約1年間で消失するため、キャッシュレス決済を増やすような政策で経済成長を目指すような方法論だと、定期的に消費を刺激するような施策を導入する必要性に迫られる。
     
  • 人口減少社会にある日本においては、技術革新を促進して潜在成長率を高め、労働者一人あたりの生産性を高めていくような施策も組み合わせていくことが経済成長につなげていくという意味で効果的ではないかと考えられる。


■目次

1――はじめに
2――キャッシュレス化による経済成長への波及効果に関する理論的整理
  1|貨幣数量説
  2|コブ・ダグラス型生産関数
3――日本におけるキャッシュレス化の経済成長への波及効果
  1|日本のキャッシュレス化の進展状況
  2|VARモデルを用いた分析結果
付表1:2009年1月~2021年3月の四半期データから計算したインパルス応答関数
付表2:2009年1月~2014年3月の四半期データから計算したインパルス応答関数
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金融研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター兼任

福本 勇樹 (ふくもと ゆうき)

研究・専門分野
金融市場・決済・価格評価

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