2023年02月01日

サステナビリティ開示の動向-国際サステナビリティ審議会の基準案および国内の取り組み

金融研究部 企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 梅内 俊樹

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■要旨

国際会計基準を策定するIFRS財団は、サステナビリティ開示基準の包括的なグローバルベースラインを提供することを目指し、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立した。その開示基準の第一段として2021年3月に公開されたのが、「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項(IFRS S1号)」と「気候関連開示(IFRS S2号)」の2つの公開草案である。2つの公開草案については、現在、コメント期限までに寄せられたフィードバックを踏まえた審議が行われており、2023年前半の最終化が予定されている。ISSBは気候変動の次ぐテーマ別の基準化に向けた準備も進めており、その候補として、「生物多様性、生態系及び生態系サービス」、「人的資本」、「人権」の3つが挙がっている。今後、情報提供依頼などを経て基準化の是非が協議されることが見込まれる。引き続き、ISSBによるIFRSサステナビリティ開示基準の動向に注視が必要だ。

ISSBのIFRSサステナビリティ開示基準では、日本の有価証券報告書に相当する一般目的財務報告でのサステナビリティ情報の開示が要求されることなどを受け、国内においても有価証券報告書にサステナビリティ情報の開示を求めることが決まっている。2023年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から適用される。国内においては引き続き、国際的な動向を見据えつつ、サステナビリティ情報の開示基準の検討が進められるものと想定される。こうした中、企業や投資家も相応の対応が求められることになる。社会全体のサステナビリティの向上に向けた準備が求められる。

■目次

1――サステナビリティ情報に係る国際的な開示基準
  1|PRI署名機関数は大きく増加
  2|国際サステナビリティ基準審議会の2つの基準案
  3|ISSBの今後の取り組み
2――日本におけるサステナビリティ情報開示
  1|TCFD提言に沿った情報開示
  2|法定開示書類におけるサステナビリティ情報開示
  3|期待される今後の取り組み
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金融研究部   企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

梅内 俊樹 (うめうち としき)

研究・専門分野
企業年金、年金運用、リスク管理

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