2023年01月20日

消費者物価(全国22年12月)-コアCPI上昇率は41年ぶりの4%

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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1.コアCPI上昇率は41年ぶりの4%

消費者物価指数の推移 総務省が1月20日に公表した消費者物価指数によると、22年12月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比4.0%(11月:同3.7%)となり、上昇率は前月から0.3ポイント拡大した。事前の市場予想(QUICK集計:4.0%、当社予想も4.0%)通りの結果であった。

全国旅行支援の影響で宿泊料が前年比▲18.8%(11月:同▲20.0%)と引き続き大幅な下落となっているが、食料(生鮮食品を除く)、エネルギーの伸びがさらに加速したことがコアCPIを押し上げた。

コアCPI上昇率が4%となるのは1981年12月以来、41年ぶりである。

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は前年比3.0%(11月:同2.8%)、総合は前年比4.0%(11月:同3.8%)であった。
コアCPIの内訳をみると、灯油(11月:前年比5.5%→12月:同4.7%)は前月から伸びが鈍化したが、電気代(11月:前年比20.1%→12月:同21.3%)、ガス代(11月:前年比21.0%→12月:同23.3%)の伸びが高まり、ガソリン(11月:前年比▲1.0%→12月:同1.6%)が上昇に転じたことから、エネルギー価格の上昇率は11月の前年比13.3%から同15.2%へと拡大した。
消費者物価指数(生鮮食品除く、全国)の要因分解 食料(生鮮食品を除く)は前年比7.4%(11月:同6.8%)となり、上昇率は前月から0.6ポイント拡大した。

原材料価格の高騰を受けて、食用油(前年比33.6%)、マヨネーズ(同22.6%)、パン(同14.1%)、麺類(同12.0%)などが前年比二桁の高い伸びを続けているほか、菓子類(11月:前年比7.3%→12月:7.6%)、調理食品(11月:前年比6.8%→12月:同7.3%)なども前月から伸びを高めた。
 
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが1.25%(11月:1.10%)、食料(生鮮食品を除く)が1.72%(11月:1.60%)、携帯電話通信料が0.02%(11月:同0.02%)、全国旅行支援が▲0.29%(11月:同▲0.28%)、その他が1.30%(11月:1.25%)であった。

2.物価上昇品目の割合は8割に近づく

消費者物価(除く生鮮食品)の「上昇品目数(割合)-下落品目数(割合)」 消費者物価指数の調査対象522品目(生鮮食品を除く)を前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、12月の上昇品目数は417品目(11月は412品目)、下落品目数は58品目(11月は68品目)となり、上昇品目数が前月から増加した。上昇品目数の割合は79.9%(11月は78.9%)、下落品目数の割合は11.1%(11月は13.0%)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は68.8%(11月は65.9%)であった。

円安は全ての輸入品の価格上昇に直結するため、価格転嫁による物価上昇が幅広い品目に及んでいる。すでに円安には歯止めがかかっているが、川下にあたる消費者物価指数にその影響が反映されるまでには時間がかかるため、上昇品目数の増加傾向はしばらく続くだろう。

3. 物価高対策の影響で、コアCPI上昇率は2月に3%割れへ

コアCPIは22年12月に続き、23年1月も4%台の伸びとなることが見込まれるが、2月には追加的な物価高対策によって、電気代、ガス代が押し下げられることから、一気に3%割れまで伸びが低下する可能性が高い。

その後は、原材料価格の上昇を価格転嫁する形での物価上昇がしばらく続くものの、円安や原油高が一服したことを反映し、23年度入り後には財価格の上昇ペースは鈍化することが予想される。一方、足もとではゼロ%台の伸びとなっているサービス価格は、賃上げ率の高まりを受けて、緩やかに上昇するだろう。

サービス価格の上昇ペース加速よりも財価格の上昇ペース鈍化の影響が大きくなることが見込まれるため、コアCPIは23年夏場以降に1%台後半まで伸びが鈍化すると予想している。
 
 

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

(2023年01月20日「経済・金融フラッシュ」)

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